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首都高速道路「i-DREAMs」を本格導入へ

インフラDX・スマート維持管理

首都高速道路、来年度から「i-DREAMs」を本格導入——AIエンジンで維持管理はどう変わるのか

首都高速道路は10月19日の定例会見で、2017年度から新たなスマートインフラ管理システム「i-DREAMs(アイドリームス)」の本格運用を開始することを発表しました。道路インフラへの同種システムの導入は国内初となります。

1. 「i-DREAMs」とは何か? システムの概要

「i-DREAMs」は、損傷推定AIエンジンを中枢に据えた、維持管理計画の作成支援システムです。先に発表された「InfraDoctor」やICTの新技術を取り入れ、点検データ、点群情報、近赤外線情報などのセンシングデータ、さらには構造物諸元、図面、交通量といった各種データを入力してAIエンジンに学習させます。

これにより、劣化や損傷、補修補強の候補を自動で検出し、最終的なエンジニアの判断を介しながら維持管理計画の作成を強力に支援します。

2. 期待される5つの主な効果と効率化

首都高速道路では、本システムの導入により以下の5点に大きな効果を期待しています。

  • 設計・施工の効率化: 点群データを用いた設計により、現状の寸法や付属物の配置に即した構造検討が可能になり、システム上で検討資料の確認が行えます。
  • 総合的な診断評価: GISプラットフォームから全てのデータベースにアクセス可能となり、スパンをクリックするだけで諸元や交通量、図面、履歴を手軽に確認できます。
  • 変状の定量的な把握: 点群データの相対変位から構造物の変状を抽出し、接近困難な箇所の浮きや剥離なども定量的に把握できます。
  • 劣化診断・予測解析: 任意断面のCAD図や3D解析モデルを容易に作成でき、高度な劣化診断や予測解析を実現します。
  • 予測保全の実現: AIエンジンが環境条件データから劣化の状況や進展性を推定し、最適な補修時期や工法の決定をサポートします。

特にAIによるスクリーニングや損傷推定が進めば、現場の大きな負担軽減につながります。例えば、従来は8日かかっていたCAD図面の作成を約1.5日程度に短縮できるなど、実務面でのメリットも絶大です。

開発費には1億数千万円を投じたものの、「数年で開発費は回収できる」(土橋博 保全・交通部長)としており、昨年度からの試験運用、今年度の一部路線での運用を経て、来年度からの全面展開へと移行します。

【記者の目】AI時代の到来と、求められる「骨太な人材育成」

AIを用いたシステムの導入は時代の先端であり、構造物の老朽化によって点検頻度が増し、現場の負担が重くなっている現状を踏まえれば、大いに歓迎すべきことだ。

ただし、最終的なジャッジは必ず人間が行う。その責任と重みを手放してはならない。AIはあくまで「既存のデータの延長線上にあるもの」であり、特異な損傷の発見や新たな技術の開発はAIの範疇外である。

システム導入によって生み出された時間と負担軽減の余白を、既存の枠組みや「権威」に逆らうことのできる、骨太で創造性あふれる人材の育成にこそ充てていくべきではないか。それこそが、このシステムがもたらすもう一つの大きな成果となるはずだ。

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