道路橋は中小河川で2橋が流失、大井川鉄道が不通に
令和4年台風14号 静岡県の被災現場を歩く
国道473号と大井川鉄道を崩壊土砂が覆う
嘯月橋は洗掘で橋脚1基が倒壊、2径間が落橋
次に向かったのが、大井川鉄道の被災箇所である。採石場跡地からの土砂流失により大規模な損害が報告された箇所である。新東名に乗って西進し、島田金谷ICで降りて、国道473号を北上したが、残念ながら同道が途中で閉鎖されており、現地に行くことはできなかった。そのため、対岸(右岸側)に渡り、県道64号島田川根線を北上して大井川鉄道を並行すると、島田市鵜網付近で大規模な崩落箇所(同市神尾付近か?)が遠望できた。国道、鉄道を土砂が覆っており、それを除去する作業を行っている重機が見えた。かなりの規模である。復旧の長期化は必至の状況だ。大井川鉄道については気の毒というしかない。
国道473号と大井川鉄道の被災箇所
最後は、大井川水路橋(PCフィンバック)を通り、島田金谷ICから浜松浜北ICで降り、国道152号を北上し、浜松市浜北区の二俣川渡河部にある嘯月橋の現場に向かった、同橋は昭和37年3月に竣功したRC橋。中央にある橋脚が1基、上流側に傾き倒れていた。下に降りてみてみると、倒壊した橋脚上流側の洗堀防止用?コンクリートブロックがなくなっており、その橋脚に洗掘が集中して倒れ、左右の2径間の桁が落ちてしまったようだ。
嘯月橋
明らかに洗掘である
橋脚はパイルベントに鋼板を巻いて補強しているように見える
昨年7月の豪雨時に橋脚が沈下し、通行止めとなった黄瀬川大橋のような大きな橋梁の被災は無かった。しかし、他の現場と変わらず、河川護岸はかなりの個所で損壊し、流木や土砂が引っかかっている橋梁も少なからずあった。そして今回もやはり、洗掘により小規模な橋梁が全部あるいは一部流失した。中でも清水橋は古い橋でありながら清水区の清地地区を結ぶ橋であり、それがなくなることで集落の孤立が生じた。
古くても、せめてこうした重要な橋は洗掘対策や流失対策を徹底するか、できれば架け替えるべきであろう。このままでは来年もどこかで豪雨が生じた時、同じような被災が起きる。記者はそれを危惧する。(井手迫瑞樹)