道路構造物ジャーナルNET

③橋脚

橋梁構造物のクラック補修工

株式会社 ティ・エス・プランニング
代表取締役社長

佐藤 智

公開日:2023.11.01

注入材には、超微粒子セメント系注入材【TSクラックフィラー®】を使用
 高圧注入機かあるいは低圧注入機を使用

6. 注入と使用機材
 注入材には、超微粒子セメント系注入材【TSクラックフィラー®】を使用して補修する。

① 注入材の注入
 TSクラックフィラー®は、超微粒子高炉スラグセメントを主原料とし、隅々まで時間をかけて充填できるよう可使時間が3時間に設定されている。したがって途中での硬化閉塞を防ぎ、ひび割れの奥まで充填する事が可能となる。他社の注入材料と比較して可使時間が長いことが特長で、大型構造物への充填工法に適している。

② 使用機材
 注入時に用いる機械は、高圧注入機かあるいは低圧注入機を使用する。
 高圧注入機には、注入圧力を制御できる機械を使用するが、基本はなるべく低圧力で時間をかけて注入する。表面には、1.5m程度の排出ホースを立ち上げてヘッド差を設けることで、経時的に注入材料が隅々まで充填されるように配慮する。


注入状況および補修材注入工概略図

7. 注入プラグ及び目止めシールの撤去
 注入プラグは、レンチとバールを使用して取り外す。目止めシールについては、表面に凹凸がある場合、ハンマー等で叩いて落とし、残っているシール材は、ブラシで擦り落とす。また、表面が平滑な場合は、スクレーパー等で削り落とす。


注入プラグと目止めシール撤去イメージ

8. 施工完了
 撤去した、注入プラグの跡は穴埋め補修材で補修する。


補修完了写真およびイメージ

 ※コンクリート造の橋脚も石積橋脚と同様の施工手順となるため説明は割愛する。

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