道路構造物ジャーナルNET

外面はステンレスクラッド鋼、内面は超厚膜エポキシ樹脂塗装、継目は全断面溶接を採用

NEXCO中日本 北陸道手取川橋 上り線の架替え鋼橋架設が終盤

公開日:2023.06.30

 NEXCO中日本は、北陸道手取川橋において塩害で損傷したPC連続箱桁橋を鋼開断面連続箱桁橋(上部はPC床版を架設)に架替える工事を進めている。同橋は手取川河口部に位置し、桁下には絶滅危惧種Ⅱ類に指定されているイソコモリグモ、コアジサシの生息する砂浜があり、重機や車両の進入が難しいことから、本設桁として使用する開断面箱桁に撤去フレームを設置して、PC桁を張出し架設とは逆の手順で切断、撤去していくもの。阪神高速が喜連瓜破でPC桁を撤去した手法は仮設桁を構築してワーゲンを設置し、切断撤去していくやり方であるが、今回はそれを本設桁しかもPC床版を上に載せていない文字通りの開断面箱桁で賄う手法が大きな特徴といえる。

 長寿命化の観点としては、鋼桁は表面に1.5mm厚のステンレス製の被膜を設けたステンレスクラッド鋼を使用し、さらに内面には底部から立ち上がり部100mmまでの範囲に超厚膜エポキシ樹脂塗装を採用している。また外面の全断面において溶接構造(炭素鋼部分とステンレス鋼部分で溶材も変えている)とするなど、塩害に対して手厚く対応している。

 現在は既設上り線PC橋直上に進めている鋼橋の架設、撤去フレームの設置工が終盤を迎えている状況だ。


A2側から見た全景

鋼開断面箱桁ブロックを半断面ずつ施工している

組立中の撤去フレーム

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム