2023年新春インタビュー③　NEXCO西日本 新名神京都　本線工事を全面展開、橋梁上部工工事も進展

城陽第三高架橋　6車線での桁架設を実施
　城陽西高架橋　供用部上空は1,350t吊クレーンでの架設が完了

　――城陽第三高架橋は
　松本　同橋の下部工も4車線構造の下部工となっていましたが、増杭をして4車線構造の橋脚の斫り作業後、筐体の拡幅をして6車線構造にする対応をしています。そのため、最初から6車線での桁架設が可能です。

城陽第三高架橋（左側）と城陽第二高架橋（右側）

6車線への拡幅対応

　下部工は下り線が全基完成、上り線は残り4基が施工中となっています。上部工は下り線6径間のうち、6径間で架設が完了し、床版（PC）も6径間で完了して、ランプ部も完成しています。上り線はこれから架設を行っていきます。
　――架設はどのように行っていますか。また、同橋も城陽第二高架橋と同様に国道24号拡幅工事との並行区間ですが、施工にあたって課題がありましたら教えてください
　松本　トラッククレーンで架設していきます。国道24号拡幅工事との調整を実施しながら限られたヤードの中で施工していきます。

施工状況。高架橋脇では国道24号拡幅工事が進められている

　――JCT部となる城陽西高架橋は
　松本　京奈和自動車道およびランプ、国道24号（拡幅側）の上空は1,350t吊クローラークレーンを用いての架設が完了しています。2022年6月の2夜間で京奈和自動車道上、7～8月の2夜間でGランプ上、9月の2夜間でBランプ上、10月から11月にかけて国道24号（拡幅側）上を架設しました。1,350t吊クレーンを使う作業は一旦完了し、11月末にクレーンを解体しています。京奈和自動車道の先については今後、施工していきます。

城陽JCT・IC

城陽JCT　供用路線上の架設。右写真は京奈和道上空の架設

　――ランプ橋については
　松本　AEランプ橋とAランプ橋、Hランプ橋の3橋です。AEランプ橋は橋長247.9mの鋼5径間連続細幅箱桁橋で、下部工と上部工を施工しています。Aランプ橋は橋長218.6mの鋼4径間連続細幅箱桁橋、Hランプ橋は382.1mの鋼6径間連続細幅箱桁橋で、Aランプ橋を除き下部工は完成し上部工を施工中です。

橋梁一覧④

京都南JCT新設工事は概略設計中
　京都縦貫道の料金体系変更にともない料金所をICに設置

　――名神高速道路京都南JCTの新設工事について概要をお願いします
　松本　京都南JCTは名神高速道路と油小路線（第二京阪道路）を接続するJCTです。JCTの新設により、京都市内中心部と大阪・滋賀方面との経路が増えて利便性が向上するとともに、国道1号などの京都南IC周辺道路の混雑緩和などが期待されています。
　名神高速道路の大阪および滋賀方面から油小路線の京都市内中心部へ向かうランプ橋と、その逆のランプ橋を整備する予定です。

既設の京都南ICの用地も活用して整備する

　――現在の状況は
　松本　概略設計と地質調査進めていて、橋梁形式などは未定です。都市部でヤードの確保が難しい箇所なので、施工計画上の制限や桁架設方法などを設計に反映すべく調整を進めています。
　――地質調査でわかっていることはありますか
　松本　まだ何ともいえません。桂川が近くに流れているのでその影響がどこまであるのか、もう少し見極める必要があります。
　――今後の予定は
　松本　概略設計は今年度中に形あるものにしたいと考えています。その後、関係機関と協議を行っていきます。
　――京都縦貫自動車道の料金所設置事業は
　松本　当社が管理している同道南側の丹波IC～大山崎ICは、これまで区間ごとに2箇所の本線料金所で料金を徴収していたため、料金所のないICがありました。2023年4月1日に同道北側の宮津天橋立IC～丹波ICが京都府道路公社から当社に移管されることにともない、NEXCOの地方部と同等の料金水準が適用されることになり、距離に応じた料金体系に移行します。そのため、料金所のないICに料金所を設置する事業を進めていきます。対象の料金所は8箇所となっていますので、事業量はかなりあります。
　現在は用地買収が多少ありますので、その協議をしているとともに、幅杭設置を行っています。工事発注はこれからなので2023年4月には遅れる形になりますが、来年度以降、工事着手ができるように計画を進めています。
　――ありがとうございました
（聞き手＝大柴功治）