事業区間の構造物比率は60%、工事の進捗率は61%
NEXCO中日本沼津工事事務所 5連の連続高架橋のうち3連にUコンポ橋を採用
中日本高速道路株式会社
東京支社
沼津工事事務所
所長
川上 哲治 氏
ぐみ沢上・下高架橋、杉名沢第一高架橋の3橋でUコンポ橋採用
省力化のために張出部も含めてプレキャスト化
――御殿場ICまでの5連の連続高架橋は
川上 全体で御殿場高架橋と称していますが、東京側から仁杉高架橋(700m)、ぐみ沢上高架橋(899m)、ぐみ沢下高架橋(951m)、杉名沢第一高架橋(852m)、杉名沢第二高架橋(750m)です。杉名沢第二高架橋は複合橋ですが、他の4橋はPC橋となっており、特徴は両側を除く3連(ぐみ沢上・下高架橋、杉名沢第一高架橋)にUコンポ橋を採用していることです。
御殿場JCT~御殿場IC間拡大図
――Uコンポ橋を採用した理由は
川上 3連の架橋地は国道や県道などの大きな交差物が比較的少なく、等径間で橋脚が構築できる地形となっていることと、プレキャスト化による工期短縮および省力化のためです。桁の断面形状はほぼ同じになりますので、ぐみ沢上高架橋とぐみ沢下高架橋の中間付近にヤードを設けてプレキャストセグメント桁の製作を行っています。
ぐみ沢上高架橋と桁製作ヤード
また省力化という観点から、U桁形状を一部張出床版部を含めてプレキャスト化することにより、張出床版を支保工が不要な形で施工しています。これにより、桁架設後は床版と壁高欄を施工するだけとなっています。暫定4車線の幅員構成で桁から張出部が短いために可能となります。本形状は、NEXCO中日本(伊勢原高架橋)で初採用したものです。
課題は交通量の多い道路上の径間への架設ですが、夜間にトラッククレーン架設を行い、一晩で固定する方法で行っていきます。ほかの径間についてはU型リフティング架設工法を採用します。
U桁形状を一部張出床版部を含めてプレキャスト化
U型リフティング架設工法での架設
――各橋梁の施工について。仁杉高架橋は
川上 場所打ちの箱桁橋(PRC15径間連続箱桁橋)です。国道138号を跨ぐ箇所があり、上部工は支保工架設で施工していますので、国道138号の切り回しをして迂回路を確保した上で支保工を構築して、場所打ち桁の架設を行っています。
下部工はすべて完成していて、上部工は15径間のうち、上り線が15径間、下り線が14径間の架設を終えています。
仁杉高架橋
――ぐみ沢上・下高架橋は
川上 両橋とともに23径間の橋梁(PC23径間連続プレキャストUコンポ橋)です。下部工はすべて完成しています。Uコンポ桁の架設は年明けから開始していて、1週間に約2本のペースで進めていて、約4~5割の進捗です。
ぐみ沢上高架橋
ぐみ沢下高架橋
――杉名沢第一高架橋は
川上 ぐみ沢上・下高架橋と同じPC23径間連続プレキャストUコンポ橋です。下部工は全て完成しています。
杉名沢第一高架橋
――杉名沢第二高架橋は
川上 鋼2径間連続箱桁橋+PC13径間連続箱桁橋です。市道がかなり斜角で交差していてPC橋のスパンでは跨げないため、その部分を鋼箱桁としています。下部工は約8割、上部工は約4割の進捗です。
杉名沢第二高架橋
杉名沢第二高架橋 下部工施工