濃霧・降雪により規制が年間270時間
減らすように対策を進める
西日本高速道路大分高速道路事務所は九州横断道、東九州道など175.7㌔を所管している。同社の所管する高速道路の中で最も標高の高い地点(734㍍)を通るため冬季の降雪が多く、たびたび発生する濃霧にも対策を必要としている。そうした課題や耐震補強を行っている乙原橋(鋼橋)などについて遠藤雄二所長に聞いた。(井手迫瑞樹)
――事務所管内の道路網の現状から
遠藤所長 当事務所は長崎市から大分市を結ぶ九州横断自動車道長崎大分線(総延長257㌔)の内、日田IC(インター含む)~大分米良ICまでの93㌔と、東九州自動車道の大分米良IC~佐伯IC間40.2㌔、日出JCT~中津IC間33.5㌔および日出バイパスの速見IC~日出IC間9㌔の合計175.7㌔を管理しています。東九州道と日出BPの暫定2車線供用区間においては、春と秋の2回に分けて夜間通行止めによる舗装補修工事を行っています。
気象的に特異な箇所であり西日本で一番標高の高い箇所(日出JCT~湯布院IC間、飛岳:734㍍)を通るため冬季の降雪が多く、また日出JCTを挟んで別府湾沿いには交通規制の原因となる濃霧が度々発生する地域になっています(昨年度は270時間濃霧などにより通行止めがなされた)。雪に対しては昨年度から冬用タイヤ規制(チェーンだけでなくスタッドレスタイヤでの通行を認める)ことによって通行止めは前年度に比べ1/3に緩和されました。今年度も冬用タイヤ規制の区域を広げています。また凍結防止剤散布、除雪、冬用タイヤ規制などを行い、お客様の安全な走行環境の確保に努めています。
また濃霧に対しては各種対策工事(防霧ネット、自発光型視線誘導標、LED標識等)を実施しています。
比較的トンネルが多い
――管内橋梁・トンネルの内訳は
遠藤 橋梁は大分道で157橋、東九州道で108橋、日出BPで10橋あります。橋梁総延長は約55㌔で、橋種別内訳はPCが132橋、RCが49橋、PRCが20橋、鋼が74橋です。トンネルは48箇所あり、総延長は約17㌔となっています。供用経過年数は橋梁については20年以上が75橋、トンネルは13本が20年以上を経過しています。
トンネルが多いことが目を引くと思います。余談になりますが、大分県はトンネルの数が日本一多く、当管内もその一端を担っています。4車線化の話もありますが、それをするにあたってもトンネルが多分にあるということを考慮する必要があります。橋梁も4車線化を前提とした橋脚の製作を行っているところは一部です。
――点検を進めてみての管内各路線の劣化状況は
遠藤 当管内は標高の高い個所(最高地734㍍)を通過しており、雪氷対策作業に用いる凍結防止剤の散布量(H26 年間約900㌧)が他の管内に比べて多く(特に日田IC~日出JCT間)、鋼橋の桁端部の部分的な腐食や橋梁のジョイント部の経年劣化に伴う損傷のほか、排水管、検査路など橋梁付属物の損傷が見受けられます。