1,300㌧クレーンで一括架設
飛島JCT、伊勢湾岸道、302号を跨ぐ部分
――次に飛島JCT側は
青木 下部工は全部発注済みです。まさに今から基礎杭の施工に着手した段階です。飛島JCT部及びその近傍も名古屋西JCT部同様、鋼管杭基礎および回転杭を採用しています。基礎工の杭径は名古屋西JCT部に準じています。橋脚はほぼRC橋脚で伊勢湾岸自動車道や国道302号を跨ぐ箇所のみ鋼製橋脚を採用しています。
上部工は、NEXCOが所管するランプ橋1橋、国交省からの受託区間の1区間以外は発注済です。こちらも架設条件は厳しく、供用している伊勢湾岸自動車道の上をランプ橋が2橋跨ぐ予定です。接続部は名港トリトンにつながる区間であるため、架橋位置は非常に高くなります。現状では伊勢湾岸道を跨ぐ箇所では大型クレーン(現在の想定で1,300㌧クレーン)による夜間一括架設を予定しています。さらに国道302号の上を跨ぐ部分についても同様に大型クレーンによる一括架設を行う必要があります。大型クレーンの設置は施工ヤードの関係から架設地点の北側に設置しての施工になります。それ以外の箇所はトラッククレーン+ベント架設で施工する予定です。
工種は鋼で、桁形式は少数鈑桁、箱桁を採用しています。床版形式は、合成床版、場所打ちPC床版、プレキャストPC床版、鋼床版となっています。ただ、鋼床版は設計上余裕があればコンクリート系の床版などに変更したいと考えています。
重防食を採用も南面、隅角部は増し塗り
――防食方法ですが、両JCT部とも重防食ですか
青木 全て重防食で考えています。
――既存道路や既存高架を跨ぐ箇所も守山SICのように溶射を採用したりしないのですか
青木 採用する予定はありません。ただし、重防食仕様での耐久性向上策を検討しています。具体的には(日が当たりやすい)南面部分の増し塗りや、隅角部についてのR加工、水溜り防止や箱桁下フランジ突出幅の縮小等の小さな工夫により耐久性を上げていきたいと考えています。
東海環状自動車道も高性能床版防水を追求
県境の4㌔部分のトンネルはNEXCOの予定
――次に東海環状道路関広見IC~東員IC間について
青木 同区間(開通済みの大垣西IC~養老JCT間は除く)の中で一番早期の開通が予定されているのが養老JCT~養老(仮称)IC間3.3㌔で、平成29年度の開通を目標としています。舗装発注は来年度の予定です。
また、大安IC(仮称)~東員IC間6.4㌔は30年、関広見IC~高富IC(仮称)間8.4㌔、大野・神戸IC(仮称)~大垣西IC間7.6㌔は31年が開通目標です。大安IC(仮称)~東員IC間、大野・神戸IC(仮称)~大垣西IC間は、ほぼ高架構造であり、現在は国土交通省で下部工などを施工中です。関広見IC~高富IC(仮称)間は、現在は国土交通省でトンネルなどを施工中です。
――東海環状自動車道は、完成後NEXCO中日本が所管するわけですが、床版防水は高性能床版防水を採用するのですか
青木 同地は降雪もある寒い路線であり、凍結防止剤の散布量も多くなることが予想されますので当社としては高性能床版防水による施工を行いたいと考えています。ただし、同路線についても現状では、従来タイプの床版防水工で計上されているため、今後関係機関などとも協議していきたいと考えています。
同路線は暫定2車線で供用する予定のため、供用後の維持管理業務は非常に困難な作業になることが予想されます。その意味でも、供用時により耐久性の高い仕様にしておくことは必須ではないかと考えます。
――他、付言して
青木 東海環状自動車道の三重・岐阜県境部には4㌔のトンネル区間がありますが、同区間についてはNEXCOが施工する予定です。同トンネル工事も含めて、早期の全線開通を目標に頑張っていこうと思っています。
――ありがとうございました