8㎜以下は床版連結
30個所を取替え
――ジョイントの劣化状況と今年度取替数量は
廣畑 経年劣化に伴う損傷のほか、凍結防止剤による塩害に起因した鋼材の腐食、非排水機能の機能不全などの劣化が多くなっています。特に漏水による桁端部の損傷や支承の損傷の拡大が顕著です。
今年度は約30個所の取替えを計画しています。基本的に劣化したジョイントの取替えであるため同様のタイプに取り替えます。また、設計伸縮量40㎜以下のコンクリート橋についてはMMジョイントなど埋設ジョイントを、設計伸縮量が8㎜以下のコンクリート橋は床版連結を積極的に採用しています。
――道路騒音対策の路線計画と実行状況は
廣畑 高機能舗装も順次実施しており、昨年度末で83%に達しています。今年度は7件約46万平方㍍の発注を予定しています。
新工法としては発生材を出さず、現地で撹拌し、石灰を混ぜ、盤としての耐力を上げることができる路上路盤再生工法や高機能舗装Ⅰ型の混合物の下層に、比較的濃度の高い改質アスファルト乳剤や特殊な改質アスファルトを用いて形成された層を構築することで表面から基層への水の浸透を抑制できる遮水型排水性舗装工法を一部採用しています。
――鋼橋の今年度塗り替え数量は、またどのようなケレンおよび塗り替えを行っていますか
廣畑 今年度は久留米管内で1橋11,000平方㍍(i系)、沖縄管内で4橋69,000平方㍍(c系)を塗り替える予定です。
塗替えは塗膜劣化が進行した部材のみの塗替えが基本で、ケレン種別は3種ケレン、i塗装系を採用しています。橋全体の塗膜劣化が進み、海峡上など環境条件が厳しい個所は1種ケレン、c系塗装を採用します。
関門橋
――関門橋のリフレッシュ工事について
廣畑 平成23年度から約10年間かけてリフレッシュする方針です。メニューは塗替え塗装(約10万平方㍍)、主ケーブル防食対策、床組支承の取替、床組連結、橋台部の床版補修、ケーブルバンド補修(増締めおよび再塗装)、ハンガーロープ再塗装、ハイテンボルト取替、検査路補修、舗装補修、ジョイントなど付属物の補修、検査車の更新などを対象としています。
リフレッシュ工事を行うに際して技術的課題を検討するため平成24年3月に『関門橋大規模補修検討会』(委員長=日野伸一九州大学教授)を設置し、2年間に5回の検討会を開催して関門橋の損傷とそれに対する補修工法の基本方針を決定しました。今後、関門橋点検マニュアルの改訂版を制作する予定です。
関門橋の概要(左)と交通量の推移(右)