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工具不要で簡単に設置でき、目視性は10年、防食性能も20年の長期耐久性が見込める

高田機工 橋梁用高力ボルトの腐食抑制ボルトキャップ「SHELLPONS(シェルポンズ)」を発売

公開日:2023.01.01

 高田機工は、橋梁に用いる高力ボルトの腐食を抑えられ、状態を視認することもできるボルトキャップ「SHELLPONS(シェルポンズ)」を発売した。橋梁の高力ボルトのナット部に被せることで腐食の進行を抑制する製品で、施工効率は従来製品の半分未満短縮でき、気密性や水密性の向上により、防食性能を高め、さらに製品自体の耐候性を高めていることが特徴だ。

 キャップ部分は被せたままで目視点検ができるよう透明のポリカーボネートを使用した。同キャップは最低10年目視が出来る状態を継続できる。橋梁との接着部分には耐熱性、耐候性に優れたエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のゴムパッキンを組み合わせ、取り付け後の気密性、水密性を高めた。EPDMは20年ほどの耐久性を見込んでいる。高力ボルトの最小ピッチにも対応している。
 取り付けにあたって接着剤や充てん剤、工具などは不要で、手で被せやすく、施工性が高い。そのため従来製品と比べ半分未満の時間で装着できる。落下時のフェイルセーフ機能として、連結ワイヤーで3つのキャップをつなげている。


SHELLPONS(シェルポンズ)の部品構成

施工状況

 キャップ使用時のボルトの腐食抑制効果については、めっきの耐食性試験方法の規格「JIS H 8502:1999」に基づく複合サイクル試験を実施し、200サイクル後も被せる前と比べてボルト部分の腐食状態に変化がないことを確認した。これは「20~30年程度の長期的な防食性能を維持できると見做せる」(高田機工)ということだ。
 また、IEC規格60529に基づく水密性試験でIPX7等級の水密性を確保。NAS試験(米国航空規格)に準じた振動試験でも耐振動性を確認している。

 壽系(すけ)亘平・技術本部技術計画室課長兼技術研究所開発課長は「橋梁の定期点検時に腐食が見られた箇所に使用したり、新設橋の錆の発生しやすい箇所に腐食予防として取り付けるといった形で使うことで、橋梁塗装の塗り替え回数を減らし、維持管理コストを低減するなどの効果が見込める。軽くて工具が不要なため、特殊な技術を必要としないため、点検員などでも被せることが出来、足場などのコストも縮減できる。まずは定期点検向けや腐食しやすい箇所の予防保全として展開していきたい」としている。

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