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塗膜除去や素地調整は必要な性能を維持しつつ、研削材削減率は99%以上を証明

ヤマダインフラテクノス 循環式ブラスト工法の建設技術審査証明を取得

公開日:2022.06.28

 ヤマダインフラテクノスは、鋼橋の維持管理において、有害物質を含む既設塗膜除去と塗替え前の素地調整に用いる循環式ブラスト工法®の建設技術審査証明をこのほど取得した。証明番号は建審証2201号。証明内容は研削材を循環再利用する同工法が、再利用しない場合と同等の品質と施工効率を満足した上で、研削材の削減率を算出し、それを客観的に証明したもの。高炭素鋳鋼グリットを使用した場合の研削材削減率は99.89%、SUS430カットワイヤを使用した場合の研削材削減率は99.94%に達することが確認され、使用する研削材の大幅な削減=産業廃棄物の大幅な削減が確認されたと言える。同証明では、その証明を実現した際に用いた使用機械、施工条件、使用研削材なども報告書に記載されている。山田博文社長は当社の取材に対し、「当社は循環式ブラスト工法のパイオニア的存在であるが、同工法の普及とともに、同様の効果を謳う類似工法が出てきている。こうした状況下において循環ブラストの基準がなく、工法によって品質や廃棄物発生量に大きなばらつきがあり、工法の信用を損ないかねないことに大きな危機感を抱いていた。本証明により、循環式ブラスト工法®は一つの『物差し』が出来たことになる」と述べた。同社は、審査証明を機に工法名称を「循環式エコクリーンブラスト工法」から「循環式ブラスト工法®」に改めた。同社が主宰する循環式エコクリーンブラスト工法研究会も「循環式ブラスト工法研究会」に改めている。(井手迫瑞樹)

 

研削材の廃棄物をリデュースすることに主眼
 工法開始以来、施工面積は160万m2、ここ2年間での実績は50万m2超
 

 建設技術審査証明は、一般社団法人 日本建設機械施工協会が行っているもの。同証明は平成12年まで、建設大臣告示に基づいた建設大臣から認定(昭和62年11月26日建設省告示第1992号)を受けて実施してきた「民間開発建設技術・審査証明事業」であり、平成13年1月10日からは、13を超える公益法人により設立された「建設技術審査証明協議会」によって、民間で自主的に開発された新しい建設技術の内容につい て審査・証明を行うことにより、民間における技術開発の促進と新技術の建設事業への適性かつ迅速な導入を図り、建設技術水準の向上に寄与することを目的として実施されている。

 具体的には、依頼者(民間法人)から依頼された技術の内容を権威ある学識経験者等により「技術審査」し、その結果を客観的に「証明」し、普及活動に努めるもの。証明のためには技術審査委員会を立ち上げて、原則として6か月以内に最低3回委員会を開催し、その審査を受けなくてはならず、そのための試験施工なども必要となるなどハードルの高い証明である。
 同工法の委員会は、玉越隆史・京都大学特定教授(当時、現在は国総研)が委員長を務め、国総研、土研、NEXCO総研、橋塗協など発注先の研究機関の部長級、室長級が名を連ね、厳しく審査された。「今回の証明内容は、厳しい審査を加えていただいた結果である。循環式ブラスト工法は、日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会の会員も110社まで増加して全国普及に近づいている。その中で『正しい循環式ブラスト工法』を展開することが、インフラ整備に対する寄与度を高めることに繋がると確信している。他の工法も今回証明された『基準』を敷衍して展開して欲しいと考えている」(山田社長)。

循環式ブラスト工法®の施工状況


現場を支えるブラスト機械

 また、同社は循環式ブラスト工法®の目的として、建設廃棄物処理指針では『廃棄物の抑制』が掲げられており、その理念に従って研削材の廃棄物を「リデュース(減らす)」ことに主眼を置いている。山田社長は「今回の証明もそれに沿ったもので、塗膜除去・素地調整というブラスト本来の目的を達しながら、研削材をただ「リサイクル」するのではなく、研削材分の廃棄物を減らすことが出来る。さらには、使用機械、施工条件、使用研削材を厳しく規定し、作業者の安全も達成しながらできるシステムを完備した工法として認知されたいという気持ちがある。発注機関の皆様にもそうした背景を考慮した発注を進めてほしいと感じている」と話している。

 同工法は工法開始以来、施工面積は160万㎡、ここ2年間での実績は50万㎡を超えている。

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