同社で首都圏発となる床版取替工事
NEXCO東日本 横浜横須賀道路釜利谷第二高架橋(上下線)の床版取替工事が進捗
プレキャストPC床版はMuSSL工法を採用
第三ステップは下り線の走行車線側を上り線同様に施工する。
最後に第四ステップとして、中央部を再び規制して、追越車線側の床版を取替える。ここでは撤去・架設には2台の120tオールテレーンクレーンを用いる。まず充填していたファルコンを撤去する。次いで昼間に床版を2m×5m単位で上下線とも切断して後方に仮置きする。既設床版の撤去後に上下線をつなぐために配置した仮設縦桁を撤去しておく。夜間に15tトラックを運用し、撤去した床版を場外に搬出し、新しい壁高欄付きプレキャストPC床版を架設していく。中央部も第二、第三ステップと同様、中央から端部に向かう形で架設(1日12枚ずつ)していく。
プレキャストPC床版はMuSSL工法を採用した。床版相互の継手形状は鉄筋端部に円形ナットが配置された鉄筋を用いる工法だ。基本的には接合部の下部にあご状の形状を有するため場所打ち部の底型枠が不要となり施工性が向上する。但し、「支点部の台形状のパネルのみはあご付きが使えないため、別途型枠を必要とする」(同社)。上側の間詰め幅は440mm。間詰め材は早強コンクリート50N/mm2を使っている。床版接合部の鉄筋には凍結防止剤による塩害対策としてエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用している。
MuSSL床版(井手迫瑞樹撮影)
半断面のパネル同士をつなぐ縦目地の接合は、ガイドキーにセラミック製の雌キーとGFRP製の雄キーを使っており、目地部が仮にひび割れて水が浸入したとしても腐食する素材を使わないことで、損傷の拡大を防ぐよう考慮している。ガイドキーは位置をずれさせないために用いているものであり、防水は同時に塗布するエポキシ樹脂系接着剤、接合および活荷重(による疲労耐久性)は精度の高い型枠によってつくられたスラブキー(横面の凹凸形状)とこの後に行う横締め緊張(ポストテンション方式)が担う。
元請はJFEエンジニアリング。一次下請はピーエス三菱、世紀東急工業、協立メンテ(足場)、丸和工業(桁補強)。