構造部比率は77%、総延長のうちトンネルが約6割を占める
NEXCO中日本 新東名高速伊勢原大山IC~新秦野IC間が4月16日に開通
中日本高速道路(NEXCO中日本)は4日、4月16日に開通する新東名高速道路の伊勢原大山IC~新秦野IC間の現場を報道陣に公開した。
開通区間の概要(NEXCO中日本提供)
開通区間は延長約12.8kmで、完成6車線の用地買収は完了しているが、暫定4車線(設計速度100km/h)での供用となる。構造部比率は77%で、橋梁高架部2.4km、トンネル部7.5km(土工部2.9km)となっている。橋梁は伊勢原大山IC側から、上粕屋高架橋(上り線684m/下り線402m)、新鈴川橋(同212m/207.5m)、金目川橋(同175.5m/185.5m)、菩提高架橋(同1,003.8m/1,013m)、水無川橋(同70.5m/70.5m)、四十八瀬川橋(同183.5m/190m)、新秦野IC橋(同212.5m/241m)の7橋、トンネルは高取山トンネル(同3,855m/3,902m)、羽根トンネル(同2,921m/下り2,906m)、小原トンネル(同630.4m/666m)の3本。
開通区間最長の橋梁となる菩提高架橋の施工。下部工施工は竹中土木、上部工施工はエム・エム ブリッジ・高田機工JV(3枚ともNEXCO中日本提供、左2枚は弊サイト掲載済み)
四十八瀬川橋(左2枚)/高取山トンネル坑口
開通区間延長の約6割がトンネルとなり、高取山トンネルと羽根トンネルは延長が長いことから、両トンネルの中間付近では出口までの距離をプロジェクションマッピングで表示して、漫然運転防止を図る。また、非常時などの状況に応じた表示もできるようになっている。
羽根トンネル
プロジェクションマッピングで出口までの距離を表示。非常駐車帯に設置された投影装置
トンネル排煙設備(ジェットファン)はこれまで車線上に設置してきたが、設置場所を非常駐車帯上に変更して、点検時の追越車線規制や通行止めの回避を図った。
排煙設備は非常駐車帯上に設置した。そのため、軸方向に10°の角度を付けたアーチ型になっている
開通区間は自然豊かな地域であり、希少猛禽類が生息しているため、施工時には繁殖状況のモニタリングや、生息箇所に近接した工事用道路に遮蔽施設を設置して、猛禽類への視覚的な圧力を緩和する対策などを行った。また、本線と交差する河川にはホタルが生息していることなどから、光漏れを軽減するために低位置照明を採用している。
低位置照明。濃霧時には路肩を強調して照らすといった配光制御も可能
新秦野ICの本線と国道246号を結ぶ取付道路は、本線から料金所までの約1.5kmをNEXCO中日本が整備し、料金所から国道246号までのアクセス道路0.75kmを国土交通省横浜国道事務所が整備した。公開当日には、同事務所から軟弱地盤上での大型重機を使用した地盤改良工事や国道246号を通行止めにした夜間の橋桁架設工事などを経て、同日開通となったことが説明された。
新秦野ICと国土交通省が整備をしたアクセス道路
今回の開通により、沿線地域の観光活性化や物流効率化による生産性向上と企業立地の促進、東名高速道路(伊勢原JCT~大井松田IC)と国道246号並行区間の通行止め時の代替路機能の確保などが期待されている。