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橋長398m、床版取替面積は3,772.5㎡におよぶ

NEXCO西日本 中国道・坂原橋 床版取替工事

公開日:2022.03.29

間詰幅は440mm 打設コンクリートには膨張剤を添加
 壁高欄は現場打ちで施工

 継手構造は前述のMuSSL工法を採用し、間詰幅は440mmとなっている。間詰部は、膨張剤(太平洋ハイパーエクスパン)を添加した高炉スラグ微粉末混入の早強コンクリートを用い、強度50 N/mm3、スランプ12cmで打設した。打設にあたっては暑中コンクリートとなることから、1日の打設量を20m3程度とし圧送距離を短くしたことや、圧送配管に養生を行うなど工夫を行っている。


間詰鉄筋組立/間詰部打設前状況

間詰部の打設と打設完了

 壁高欄は現場打ちで施工した。打設コンクリートは強度30 N/mm3である以外は間詰部と同様で、長寿命化対策としてシラン系表面含浸材(アクアシール1400)を塗布している。


壁高欄の施工(左写真のみ、大柴功治撮影)

壁高欄施工完了箇所(大柴功治撮影)

 床版防水は高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用し、オルタックスプレーES-A工法で施工した。舗装は、レベリング層がFB13、表層は高機能舗装Ⅱ型で舗設している。施工面積は3979.1㎡となり、防水工は5日間、舗装工は3日間で完了した。


床版防水工

舗装工(右写真は絵堂橋施工時のもの)

施工完了時

 床版取替工事完了後には、上フランジ下面の外側10cmの塗替塗装(9橋合計で約1,200㎡)を実施するが、有害物質である鉛の含有が判明している(同橋および絵堂橋、上大井橋では50,000mg/kgを超える鉛含有量)。送風機等による対策を行ったうえで、3種ケレン時における作業環境測定の試験施工を行ったが、管理濃度区分を満足しなかったため、塗布形素地調整軽減剤(サビシャット)による素地調整とする塗替塗装とした。


塗替塗装工と施工完了時

 足場は、パネル式吊り足場であるSKパネルとスパイダーパネルを採用している。

対面通行規制区間は6.24km
 トンネル内には5基のカメラを新設して通行の安全を図る

 施工にあたっては、3橋を含む規制対象区間が上下線セパレート区間のうえ、トンネルが連続していることから、規制総延長が9.9km、そのうち対面通行規制区間が6.24kmにおよんだ。そこで、NEXCO西日本では簡易LED情報板を設置して規制の周知を図るとともに、対面通行規制区間のトンネル内に5基のカメラ(CCTV)を新たに設置したほか、仮設のWEBカメラ8基を設置して、車両通行の安全確保と事故等の早期確認が行える体制を整えた。


簡易LED情報板とトンネル内に新設したカメラ(CCTV)

今後の予定
 2022年度からは残る6橋の工事に着手する。同年度の春から秋にかけては、椿山橋(下り線:橋長38.0m:鋼単純合成鈑桁橋)、小原橋(下り線:橋長99.5m:鋼2径間連続非合成鈑桁橋)、上馬越橋(下り線:橋長81.0m:鋼2径間連続非合成鈑桁橋)、高梁橋(下り線:橋長75.3m:鋼2径間連続非合成鈑桁橋)、下大井橋(下り線:橋長85.0m:鋼2径間連続非合成鈑桁橋)の5橋が施工予定となっている。2023年度には、上萩原橋(上り線:橋長115.0m:鋼3径間連続非合成鈑桁橋)が施工予定だ。


2023年度施工予定の上萩原橋

 元請は、ピーエス三菱・極東興和・安部日鋼JV。一次下請は、光南(床版架設工)、ヤマダ、中前(クレーン工)、ディーシープランニング(床版切断工)、今村塗装(塗装塗替工)、ポリテクノ(床版防水工)、東京鋪装工業(舗装工)。

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