既に高速道路や自治体の鋼橋塗替えで7,167㎡の実績
HMPLAN 中性型水系塗膜剥離剤『STRIPPER』を開発
HMPLAN(三重県松阪市、湊久幸社長)は、鋼橋塗替え際、PCBや鉛、六価クロムなど有害物質を有する塗膜除去を対象とした中性型水系塗膜剥離剤『STRIPPER』を開発、営業を進めている。標準塗布量は0.7kg/㎡(500μm相当の場合)。「他環境配慮対応型剥離剤と比べ、塗布後にタレを生じ難くいため塗膜除去対象物に対し均一な剥離効果を得る事が可能」ということだ。平均生分解度95%(最大値99%)(土木鋼構造物用剥離剤ガイドライン(案)の平均生分解度基準値60%以上)、魚毒性96時間LC50 540ppm(540mg/L)(土木鋼構造物用剥離剤ガイドライン(案)の魚毒性96時間LC50の基準値10ppm以上)と環境面でも優れている。すでにNEXCO西日本の沖縄自動車道や、三重、高知、鳥取、兵庫各県の鋼橋塗替えの現場などで7,167㎡の実績を有している。(井手迫瑞樹)
施工実績表
塗布後の初期塗膜軟化反応を抑え、塗膜内部へ深く浸透
生分解性の高さや魚毒性の低さなど生体影響が非常に少ない環境配慮型
同工法は従来の塗膜剥離剤と同様に刷毛などで塗膜剥離剤を塗布し、膨潤した塗膜をスクレーバーなどで掻き落とし除去するもの。従来製品と異なるのは、「塗布後の初期塗膜軟化反応を抑え、塗膜内部へ深く浸透させる事により、多くの塗膜を除去させる事が可能」な点で、塗膜剥離剤を塗り重ねる回数を減らすことができる。
塗膜剥離剤の吹付け状況および吹付け管理状況
膨潤した塗膜
塗膜の掻き落とし状況
さらに優れているのが環境面への配慮だ。生分解性の高さや魚毒性の低さに加えて、ジクロロメタンや過酸化水素を含まず有害性が少ない。また、近年、夕立やゲリラ豪雨、線状降水帯等が突然訪れる事が多くあるかと思われます。その際は、橋梁の伸縮装置目地部から大量の雨水の侵入や桁外面が雨打たれを生じてしまう事もあり、塗布した剥離剤が雨影響で流されてしまう事が想定される。塗布した剥離剤が流出すると河川そして水田や海まで流れてしまい生体影響に影響を与えかねない。
掻き落とし後の2種ケレン状況
「STRIPPER」は、独自に安全性の確認として、一般的には(当該材料含有量)50mg/Lで行われるところを3倍の150 mg/Lの設定濃度で、水生生物の中で生命力の弱い「ミジンコ」と、植物の中で枯れやすいとされる「藻」に対する影響を確認した。オオミジンコによる48時間急性遊泳阻害試験は遊泳阻害率0%、藻類による72時間成⾧阻害性試験は平均成⾧阻害率-2.1%という値を示し、ミジンコは生きる事ができ、藻は成⾧する事を確認した。
この結果を踏まえて、同社では「生体影響が非常に少ない環境配慮型である事が確認でき、他社製品と比べ安全性の高さにおいて差別化を図り」、塗膜剥離性能は従来製品と同等以上の効果を有しつつ、環境にやさしい製品として積極的に拡販していく方針だ。