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ブラックライトを当てると、下塗りが赤、中塗りが緑、上塗りが青に変色する特徴 施工管理が容易

HMPLAN 鋼・コンクリート防食向けに高耐久性シリコーンコーティング『クリスタルジュエリー工法』を開発

公開日:2021.11.02

 HMPLAN(三重県松阪市、湊久幸社長)は、橋梁の桁端部や支承、橋台コンクリート部、鋼橋脚部の根巻部および鋼材の添接部などを対象とした透明性を有する高耐久性シリコーンコーティング『クリスタルジュエリー工法』を開発した。耐塩害性、耐薬品性に優れており、透明なコーティング材のため、内部の状況も視認できる。施工は3種ケレン程度の素地調整でよい。樹脂は3層塗りで、従来の透明なコーティング材では施工管理が困難であったが、同製品はブラックライトを当てることで色が変わる特性があり、層ごとの施工管理を可能にした。この色の変化が『クリスタルジュエリー工法』の名前の由来だ。

既存膜厚の測定状況

 同工法は躯体面上に撥水性に優れた化成被膜と特殊シリコーンを主成分とした強靭なシロキサン結合の塗膜を形成することで、長期に渡り、水分や塩化物などの腐食因子やオゾンの浸潤を防ぐことができる。この効果により、橋梁など重要構造物の鋼・ゴム・コンクリートの防食が期待できるものだ。

クリスタルジュエリー塗膜構成図

1層目の施工状況(左:ブラックライトの照射がないと透明、右:照射すると赤く変色する。照射を止めると透明に戻る)

 防食性能はJIS H 8502、JIS K 5600複合サイクル(120サイクル)試験を行った結果、1種ケレンを施した金属溶射や重防食塗料と比較しても遜色ない性能を確認できた。また、耐候性ではJIS K 5600キセノンランプ法を用いた促進耐候性試験を行い、光沢保持率100%を確保することができた。
 変形追随性にも優れている。JIS K 6251 NRゴム及びCRゴムに塗布した試験体を250%×5回以上引っ張ったが、コーティング材に割れや剥がれは認められなかった。耐オゾン性もJIS K 6251の試験体に96時間オゾンを当て続けたが割れや剥がれは認められなかった。
 同製品はこのように鋼・ゴム・コンクリートへの防食・耐候性を有することから、桁端部などでは、補修材を分けることなく桁端部鋼材から支承を含め沓座モルタルまでを一体として施工できる。また、支承においては鋼製支承やゴム支承のプレートだけでなく、ゴム支承のオゾンクラック対策にも合わせて塗布できるメリットを有するといえる。


2層目の施工および照射状況
3層目の施工状況および照射状況/完成状況(クリアな塗料であり、コンクリートや鋼材の状態を確認できる)

3層構成

 施工は、下地処理後、まず1層目に浸透性錆進行抑制材を塗布し、最短4時間養生した後、耐塩害性防錆防水型クリア樹脂塗料を塗布し、最短8時間養生した後、トップコート(これも透明性を有する)を塗布して24時間以上養生して完成となる。各塗料はブラックライトを当てると、下塗りが赤、中塗りが緑、上塗りが青に変色する特徴を有しており、透明な塗料でありながら施工管理が容易となっている。また、ゴムやコンクリート劣化部については別途透明性を有する下地処理材を用意しており、これを塗布したうえで3層の施工を行う。既に九州や山陰地方の自治体の橋梁で実績があり、同社は、今後も積極的に適用を働き掛けていく方針だ。(井手迫瑞樹)

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