清水高架橋では板厚を70mmまで上げて2主I桁を採用
東海北陸道4車線化 旅川橋、山田川橋など長大橋架設が終盤
公開日:2021.05.10
清水高架橋 クリアランス低く桁高を上げられない
板厚を上げて構造強度と両立 接合断面は溶接構造に
清水高架橋は、富山県小矢部市の市道上町清水線、市道清水2号線を跨ぐ個所に架けられている橋長48.2m、有効幅員9.66mの鋼単純2主I桁橋である。構造の合理化と施工性を考慮し、2主I桁としている。一方で、市道とのクリアランスから桁高を上げることはできなかったため、板厚を最大70mmにまで厚くし、桁高の抑制と構造強度の両立を図っている。さらに板厚を70mmまで上げているため、施工性からすべての接合断面を溶接構造としている。
清水高架橋下り線架設計画図(上り線は5主I桁だったのを下り線は2主I桁に)
施工前の清水高架橋
清水高架橋の架設状況①(桁運搬と地組状況)
清水高架橋の架設状況②
架設はまず現場近くヤードで全長を2分割して地組みした。地組みした桁は自走多軸台車に積み込んで運搬し、市道中央部にベントを1基立てて、360tクローラークレーンを用いてA1~J3(約29m、28t)とJ3~A2の主桁を1夜間に1本ずつ、合計2夜間で架設した。同橋のPC床版については現場打ちを採用しており橋面上は施工をほぼ完了している。
床版
旅川橋、山田川橋については鋼桁上のPC床版は全てプレキャストPC床版を採用する。床版の架設は夏ごろから着手予定で端部はクレーン、河川中央部は新しく開発した門型架設機を用いて施工していく方針だ。
設計は大日本コンサルタント、日本構造橋梁研究所、八千代エンジニヤリング、近代設計。施工は川田建設・川田工業JV。PC桁部の一次下請は、旅川橋が川崎技興、山田川橋がKITAGAWA、清水高架橋が共榮組。鋼桁部の一次下請は、今井重機建設。