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従来品より飛散の恐れなく、3dB程度さらに減音効果

阪神高速技術と日本環境アメニティ 高速道路の減音装置「E-fX2」リニューアル工法を開発

公開日:2021.02.24

 阪神高速技術と日本環境アメニティは、従来の吸音板や遮音壁と同等以上の遮音性を有し、さらに安全性や工事時の利便性を高めた高性能遮音壁「E-fX2」を開発し、実適用を進めている。高速道路や都市内の高架道路においては、住宅等の近接箇所や騒音環境の保護のため、遮音壁上部に減音装置が設置されているケースがあるが、経年劣化よる性能の劣化に加え、車両の接触や台風など強風発生による飛散の可能性が指摘されている。そのため、より減音性能が高く、飛散の恐れがない減音装置のリニューアル工法を開発したものだ。(井手迫瑞樹)

 同製品が対象としているのは、主に都市部を走る高速高架の劣化した減音装置の取替えだ。都市部の高速高架は人家連坦地に架けられているものが多く、周囲のマンションやビルなどの建築物も高架橋よりも高いものが多く、騒音を抑止するために遮音壁やその上端に吸音装置が付けられている個所が点在している。しかし、従来の吸音装置は、遮音板と機構的に分離しており、遮音壁の支柱とボルトで接合しているため、遮音板間に僅かな隙間があることから、風雨による経年的な影響を受けやすく、劣化した箇所は車両との接触や台風などによって飛散の可能性があった。

 そのため、リニューアル工法は支柱で両側を補強し、遮音板の上端部と吸音装置が一体化している部材を差し込む一体差し込みタイプを基本とし、コストを考慮した支柱延長タイプも用意した。吸音装置間に僅かに生じる隙間についても目隠し板で無くし、風を孕ませないなどの工夫を講じている。

一体差し込みタイプが基本
 吸音性能も高く、従来の吸音装置と比べて、自動車走行音に対して従来製品よりもさらに3dB(A)程度の減音効果がある。

 一体差し込みタイプは、劣化した吸音装置と、遮音壁のうち上端部のパネルのみを除去し、その後に吸音装置と遮音パネルが一体構造となっているパネルを支柱にはめ込み一体化するもので、施工性も良好で、減音性能だけでなく安全性も大きく向上するため、両社としてはこちらを推奨している。


 コスト面で安くなるのは支柱延長タイプ。これは劣化した吸音装置を撤去するだけで良く、遮音版の上端部の除去を要しない。その代わりに既存の支柱の上面にパネルを支持する支柱を継ぎ足して設置するもの。


支柱延長タイプ

 両手法とも落下防止ワイヤーを設置し、安全性をさらに高めている。
 維持管理面においてもほぼ上下に隣接するパネルと隙間がないため、「従来の吸音装置のより、部品数も少なく、対衝突、耐風性に優れ、ほぼメンテナンスフリーにすることができる」(阪神高速技術)ということだ。

 今後は、阪神高速道路の実構造物で適用し、実地での施工性などを精査し、阪神高速道路以外にも積極的に営業してく方針だ。

実際の施工例 両端の従来タイプと比べてすっきりとしている
(2021年2月24日掲載)

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