道路構造物ジャーナルNET

静岡国道 有害物質を含む塗膜の除去量を20~40分の1に削減

東名巴川高架橋と大沢大橋 塗膜剥離剤と循環式ブラスト採用

公開日:2020.10.01

大沢大橋 既設塗膜には鉛だけでなくPCBも含有
 油流失事故を防ぐための処理ボックスも設置

 大沢大橋は、富士山にほど近い富士宮市上井出の国道120号が潤井川を渡河する箇所にある橋梁だ。1971年8月に当時の日本道路公団(JH)によって供用された3径間連続非合成3主鈑桁橋で、膜厚は250~320μmであるが、複数回以上、3種ケレンによる塗り重ねを繰り返した形跡がある(前回塗替えは90年1月)。塗膜は鉛またはその化合物が69,000mg/kg、PCBが13㎎/kgと高い数値を示している。そのため、塗膜剥離剤によって既設塗膜を膨潤させて限界まで掻き落とした後、残った鉛丹などの除去と素地調整を循環式エコクリーンブラストで施工し、その後ミストコート、塗替え塗装(弱溶剤系重防食)を施していく。

大沢大橋平面図

大沢大橋


塗膜の劣化状況/塗り重ねを繰り返した形跡(右写真)



塗膜剥離剤による既設塗膜の除去

 塗膜剥離剤は1日350㎡程度吹付け、24時間程度養生した後、掻き落とす。ブラストは1班(4ノズル)体制で施工し、1日平均160㎡ずつ施工していく。
 安全対策は、安全通路は若干狭い(1,100mm)ものの、基本的に東名巴川高架橋の現場に準じている。なお、直下の潤井川は下流で漁業も盛んなことから、油の流失などによる事故を防ぐために、緊急油処理ボックス(右写真、NETIS:KT-100036-VE)を設置している。
 元請は、東名巴川高架橋が、静岡塗装、佐野塗装、ヤマダインフラテクノス。大沢大橋がヤマダインフラテクノス。(2020年10月1日掲載)

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム