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4本のシールドトンネルを約205m×約175mの用地内で施工

首都高速道路 2月27日に開通する横浜北線馬場出入口を公開

公開日:2020.02.20

 首都高速道路は18日、2月27日正午に開通する横浜北線「馬場出入口」を報道陣に公開した。同出入口は、2017年3月に開通した横浜北線(生麦JCT~横浜港北JCT、延長8.2km)のほぼ中間地点に位置し、湾岸線(生麦JCT)方面と第三京浜(横浜港北JCT)方面の両方向への利用ができるとともに、3月22日に横浜北西線が開通することにより東名高速へのアクセスが可能となり、馬場周辺のアクセス性が向上する。
 一般道とは都市計画道路大田神奈川線と接続するが、27日に開通するのは同線北側からの入口と湾岸線方面・第三京浜方面からの出口で、南側からの入口は2020年内の完成予定となっている。


馬場出入口概要図(首都高速道路提供)

料金所(大柴功治撮影。以下、注釈なき場合は同)

料金所通過後に湾岸線方面と第三京浜方面に分流する

 馬場出入口は、新国立競技場(約250m×約340m)の約40%の面積という限られた用地(約205m×約175m)内に、地下約52mにある本線と接続するための4つのランプを建設するという難工事になった。各ランプは、第三京浜方面への入口となるAランプ(延長約450m)、湾岸線方面からの出口となるBランプ(延長約450m)、湾岸線方面への入口となるCランプ(延長約360m)、第三京浜方面からの出口となるDランプ(延長約700m)だ。いずれも急曲線、急勾配部が多く、最小曲線はR=50m(Bランプ)、最大縦断勾配は8.1(Cランプ)%となった。


各ランプの概要(首都高速道路提供)

Cランプの急曲線、急勾配部

 ランプとなる4本のトンネルは、シールド工法で掘削した。掘削に用いたシールドマシンは直径10.13~11.13m、長さ10.2m、重量約1,150tで、ジャパントンネルシステムズ(現:JIMテクノロジー)が製作している。BランプとDランプのシールドマシンの掘削カッター、排土装置などの内部機械を、CランプとAランプのシールドマシンに転用することで、コスト縮減を図ったという。


シールドマシンの内部機械の転用(首都高速道路提供)

 工事は「横浜環状北線馬場出入口・馬場換気所及び大田神奈川線街路構造工事」(施工:清水・東急JV)として2011年4月に着手。馬場換気所の地下部を施工後、2014年8月にBランプのシールドマシンが発進した。最小土被りが1.3mという厳しい条件下での発進となったため、セグメントの浮上がりを防止するため、トンネル直上に防護コンクリートを構築して安全性を確保した。発進後も急曲線、急勾配が連続し、シールドマシンの正確な姿勢制御が求められ、さらに到達側は本線シールドトンネルとの離隔が0.35mしかなかった。このぎりぎりの離隔を確保するために、シールド中心と道路中心を変える(道路の縦断勾配よりもシールドトンネルの縦断勾配を1%程度増す)工夫も行ったという。掘削完了は2015年3月となった。


Bランプの施工概要図(首都高速道路提供)

 その後、Dランプ(2015年12月~2016年4月掘削)、Cランプ(2016年9月~12月掘削)、Aランプ(2017年4月~7月掘削)の順で施工をしていった。Dランプ上の地上には東京電力の高圧送電塔が建っていたため、変位計測を行いながら慎重に掘進を進めた。
 シールド掘進は直線部で日進最大約20m、急曲線部では日進約3mだった。セグメントは急曲線部では鋼製セグメント(カーブ内側標準幅0.5m)を、それ以外ではRCセグメント(標準幅1.5m)を採用している。


Cランプから本線接続部へ

急曲線部では鋼製セグメントを採用。セグメントの上に耐火パネルを装着している

 馬場出入口では、入口を首都高速道路で初めてとなるETC専用として運用する(出口は現金車も利用可能)。これは「ETCの利用率が首都高では96%になっていることに加えて、料金所前後で合流と分流が生じるため、より安全性に配慮」(首都高速道路神奈川建設局 鶴田和久局長)したためだ。
(2020年2月20日掲載 大柴功治)

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