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市道上は移動多軸台車、渡河部は軌条桁を用いて架設

横浜市 さくらみらい橋(大岡川横断人道橋)の建設が進捗

公開日:2020.01.31

経路C(P2-CP2間)はトラッククレーンベント工法で架設
 市道を跨ぐ経路B(P2-P3間)は移動多軸台車で架設

上部工の施工
 桁架設においても交差物が多く、狭隘なヤードであったことから制限のあるなかで慎重な施工が求められた。特に、制約の多い施工となったのが、大岡川を渡河する経路A(P1-P2間)と市道西戸部342号を跨ぐ経路B(P2-P3間)の架設だ。
 桁製作は上部工事の元請であるエム・エム ブリッジの富山工場で行い、1ブロック約10mを陸送で現場に搬入している。経路A・Bの数ブロックおよびクロスゲートビル方向の経路C(P2-CP2間)は、トラッククレーンベント工法での架設を行った。経路Cの架設は80t~120吊トラッククレーンを用いて2019年10月7日から開始して、夜間に4回の市道規制を実施して、12月5日に完了した。



経路C架設計画図(抜粋)

経路Cの架設状況

経路C架設完了(大柴功治撮影)

 経路Bでは市道の下に首都高速の地下躯体が横断していて、躯体への荷重影響を考えると架設用クレーンを設置することが不可能でヤードの確保ができなかった。さらに、上空制限もあったことから、移動多軸台車による一括架設を採用することにした。
 まず、P3前方と後方のヤードにベント設備を組み立て、120t吊オールテレーンクレーンでブロックを吊り上げ、架設桁を連結後、現場溶接で添接して地組を行った。同橋では、景観に配慮して一部の調整ジョイントを除いて桁は全断面溶接を採用した。溶接後のビード仕上げでは一部ゼロ仕上げの箇所があり、景観を損なわないために丁寧に仕上げている。また、下フランジ面の作業クリアランスが300~400mmしかなかったことから作業姿勢に苦労したという。


P3前方と後方のヤードに組み立てたベント上で地組を行った

桁の溶接作業

 その後、中間ベント(B3~B6)を解体して移動多軸台車を配置。移動多軸台車は5軸20輪の「スーパーキャリア」(積載能力225t)を前後2台、横2列の合計4台とし、各台車上には昇降能力250t、昇降ストローク2.1mのテーブルリフトを設置した。台車で架設桁(全長35m、重量66t)を受けた後、P3前方のベントを撤去している。


移動多軸台車の組立

 一括架設は、2019年9月26日の0時から5時まで国道133号の一部と市道を通行止めにして実施された。



経路B架設計画図(抜粋)と架設ステップ図

 0時30分ごろに台車が移動を開始し、28m直進(縦送り)して、3時ごろにP2側の架設位置J18に到達した(P2側はJ18までトラッククレーンで先行架設済み)。約1mのジャッキダウンを行い、ボルト添接作業後、4時30分ごろに台車が退出している。施工にあたっては、台車移動時に後方側の2台がP3を通過していく形(P3が台車の間に位置)になるため、4台の台車を同調させて1人で一括操縦することができずに、台車ごとに4人で操縦しなければならず、その挙動を合わせることに注意を払ったという。


ヤードから移動多軸台車が市道上に進入

P3橋脚を通過/4時30分ごろには台車が退出した

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