道路構造物ジャーナルNET

上り線施工時の一時的な活荷重の増加が床版の急速な劣化を招く

東日本高速道路 東北道迫川橋(下り線) 予想外の床版取替工事現場ルポ

公開日:2019.07.24

 東日本高速道路は、2019年5月26日~6月29日の35日間、東北道築館IC~若柳金成IC間の迫川渡河部に位置する迫川橋(下り線)の床版取替工事を行った。同橋は上り線について2018年度に床版を取替えている。下り線は当面の床版取替の予定はなかった。しかし、上り線施工後、再度調査したところ床版の劣化が急速に進んでいることが確認され予定外の床版取替を実施することとなった。床版取替面積は2,509㎡。その現場を取材した。(井手迫瑞樹)



床版の損傷状況1

床版の損傷状況2(床版上面の損傷状況)

床版の損傷状況3 下り線床版の対面通行規制前後の床版劣化状況。急速な劣化が生じたことがわかる

パイプサポートを設置してしのいだ

パネルの割り付け
 さて、横断勾配は2.0%、縦断勾配は約0.42%から-0.39%の拝み勾配となっている。縦断勾配が緩やかなため、排水桝の設置間隔を短くした。桁の角度はA1側で78°、A2側で79°と少し斜角がついている。そのためパネルの配置は基本的に直角だが、端部のみ台形形状のパネルを配置し、さらにそれと対象になるような形で現場打ち床版を打設している(図)。斜角を有する場合、斜め方向に分割して斜角なりにプレストレスを導入する方法もあるが、床版内に排水桝、スタッド用孔、高さ調整ボルトなどを配置せねばならない。それらとの取り合いを考慮するとPC鋼材を主桁に対して直角に配置したほうが有利と判断した。場所打ち床版は伸縮装置が設置でき、所定の鉄筋定着長が確保できる幅として桁端から1mほどを最小幅として割り付けた。


A1-P3の割り付け平面図

P3-A2の割り付け平面図

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム