道路構造物ジャーナルNET

製作・架設・防食など上部工の詳細に迫る

気仙沼湾横断橋 主塔の架設を終えて桁の張り出しへ

公開日:2019.07.25

防食

防食(主塔および桁)
 主塔の防食仕様は、外面はC-5塗装系、内面はD-5塗装系を基本としている。しかし、基部や橋桁との取り合い部、二股合流部、頭頂部(トップ3m)については外面防食を金属溶射+C-5塗装系とした。主桁外面は端部および支点部については溶射+C-5塗装系、その他の部分はC-5塗装系を採用することとした。内面は主塔と同様D-5塗装系である(写真53)


写真53 溶射の施工

 現場での溶接・塗装・溶射品質を確保するため、風防対策はコンパネとシートの二重防護とした。その結果、溶接や溶射に際して風の影響をほとんど受けることなく施工でき、良好な品質を確保できた(写真54、55)。また、塗装の品質確保には湿度や温度管理が重要となるが、特に主塔高さは115mあり、地上と主塔トップとの湿度温度に差があることが考えられるため、作業箇所ごとの管理を綿密に行った(写真56、57)


写真54、55 溶接の施工

写真56、57 湿度や温度管理は作業ごとに綿密に行った

防食(ケーブル、高欄、水まわり)
 桁を支えるPCケーブルは内部充てん型エポキシ樹脂被覆PC鋼より線ECFストランドを採用し、防食性能の向上を図っている。また、レインバイブレーションについてはケーブルの形状変化(外回り加工)などで処理する方針。
 高欄は塩害に強いアルミ合金製壁高欄を採用する予定。排水溝には橋梁縁石との兼用として高耐食性めっき(SGめっき)とナイロンコーティングを施したFDドレンを用いる。

 設計は大日本コンサルタント、一次下請けは朝日地区側が金子建設(架設)、エンジニアリングナカヒラ(溶接)、大矢運送(クレーン)、宇徳(自走多軸台車)平井塗装(塗装、溶射)、ダンテック(非破壊検査)など。小々汐地区側は、植田建設工業(架設)、深田サルベージ建設(海上架設など)、東京フラッグ(溶接)、県南クレーン(クレーン)、ミツヤ(塗装、溶射)、日本X線検査(非破壊検査)など。(2019年7月25日掲載)

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