ランプ橋として合理化合成床版を初採用
NEXCO中日本 名二環飛島JCTでR70の曲線桁を含む2径間を同時架設
J10-J17ブロックは斜め方向約68m、横方向約12m移動
J10-J17は22時15分過ぎに移動を開始した。J10側を左側に旋回した後、約68mを11時方向に斜め移動、3時方向に約12m移動して、約1時間半後には架設位置に到達させた。
J10-J17ブロックは約80m移動した(大柴功治撮影/以下、注釈なきは同)
架設位置に到達させていく(上と左:エム・エムブリッジ提供)
ボルト添接は地震時対応のために総締め本数の3分の1以上を行うこととし、J10側が306本、J17側が176本、J26側が150本を添接した。J26側のボルト添接から始め、J17側はJ10-J17の位置・高さ調整と引き込み後にボルト添接を開始している。
J10側は、架設済み桁を50mmセットバックしていたものをセットフォアして、高さ調整と引き込みを行ったが、なかなか仕口が合わず、時間をかけて慎重に作業を行い、ボルト添接作業へと移行した。
J10側の仕口調整(エム・エムブリッジ提供)
また、PB2橋脚上のJ17では桁連結後、J17-J26の曲線桁に橋軸直角方向の若干のズレが発生したために、支承位置をあわせる微調整に時間をかけていた。微調整完了後、4時20分ごろにJ10側の1号車を除く多軸移動台車が退出、1号車も5時20分ごろには退出が完了して、6時に交通規制を解除した。
多軸移動台車の退出はJ26側の4号車から行われた
多軸移動台車退出後
架設完了(エム・エムブリッジ提供)
Bランプ橋では合成床版を採用
PB2橋脚は鋼・コンクリート複合橋脚を採用
国道302号と交差・並走するBランプ橋では、施工時の落下物防止に配慮して鋼・コンクリート合成床版を採用した。直線部(J10-J17)は設計床版支間を橋軸直角方向とする一般的な合成床版を採用し、視距拡幅のため最大有効幅員が10.3m(車道部3.5m+路肩部2.5m+視距拡幅4.3m)となる曲線部(J17-J26)は設計床版支間を橋軸方向とする合理化合成床版をランプ橋として初めて採用した。
設計床版支間を橋軸方向とする合理化合成床版(エム・エムブリッジ提供)
広幅員の合成床版では合成床版を支持するために鋼箱桁断面を大きくすることや、ブラケットと側縦桁が必要となるが、合理化合成床版ではブラケットのみで支持できるため、経済性に優れていることが、その理由だ。
国道上に梁が突出することになるPB2橋脚では、RC柱と鋼製梁で構成される鋼・コンクリート複合橋脚を採用したことも特徴だ。鋼製梁とすることで夜間に一括架設して国道規制を1日に短縮した。また、経済性を考慮して橋脚基部からすべて鋼製にするのではなく、RC柱としたが、施工例が少ないために事前にFEMモデル解析を行って、安全性の確認を行った。
左:PB2橋脚鋼製梁の架設(エム・エムブリッジ提供)
施工は、エム・エムブリッジ。下請けは、宇徳(移動多軸台車)、植田建設工業(架設工事)など。
(2019年4月8日掲載 大柴功治)