東名砂沢川橋上に負担をかけず自走多軸台車で桁運搬
NEXCO中日本 東名高速道路交差部直上の桁を4夜間で架設
中日本高速道路東京支社は、11月13、15、17、20日の4夜間、新東名高速道路御殿場JCTの東名高速道路の交差部直上での桁架設を行った。いずれも19時~翌7時にかけて東名本線の通行止め規制を実施して新駒門東第二高架橋(上り線)、同(下り線)、Cランプ第二橋の交差部に自走多軸台車で架設予定地直下まで進入し、マルチストランドジャッキで吊り上げ架設するもの。現場はヤードが狭く、供用している高速道路が極めて近接しているため大型クレーンを用いた架設が難しい。また、桁を積んだ自走多軸台車が東名本線のPC桁を通過せねばならず、このPC桁に負荷を与えずに通過するために多大の時間を有することから、地組ヤードから運び、その当夜に架設することはできない。そのため別に待機ヤードを作り、いったん桁を待機ヤードまで運搬し、その次の夜間規制時に待機ヤードから予定地まで桁を運搬・架設するという工程を並行して繰り返した。そのため15日と17日の2夜間は、自走多軸台車を2パーティー同時並行した作業を行っている。(井手迫瑞樹、大柴功治)
上空から見た架設予定地(NEXCO中日本提供、以下注釈無きは同)
今回架設する3橋の東名交差部は新駒門東第二高架橋(上り線)が桁長102m、架設重量(桁重だけでなく治具も含めた総重量)約658t、同下り線が、桁長95m、架設重量約571t、Cランプ第二高架橋が桁長93m、架設重量約516t。桁製作は上り線をJFEエンジニアリング、下り線をIHIインフラシステム、曲線率が一番大きいランプ橋部を横河ブリッジがそれぞれ担当した。
工事概要
11月13日にまずCランプ第二橋を地組ヤードから待機ヤードへ自走多軸台車で運搬、次いで15日にCランプ第二橋の桁を待機ヤードから架設地直下まで運搬し架設すると同時に、本線下り線の桁をCランプ第二橋と同様に移動、17日には下り線の架設と本線上り線桁の移動を並行作業し、20日に上り線桁の架設を完了した。橋梁の形式は3橋とも合成床版の底鋼板を桁上に配置した2主細幅箱桁橋。待機ヤードで吊り上げに用いる治具を設置し、それにワイヤーを通してジャッキアップし架設する。
架設方法概要
架設計画①(Cランプ第二橋)
Cランプ第二橋の架設
架設計画②(本線下り線)
架設計画③(本線上り線)