塗装塗り替え総計2万8610㎡ 支承取替366基
堺市 大浜高架橋のリニューアル工事が大詰め
施工(P24橋脚のPCM吹き付け補強)
P24は、施工ヤードが幅4m×奥行20mと非常に限られたスペースであり、両側を府道大阪臨海線(旧)が走る。府道は埠頭から生コンなどを運ぶ大型トラックが頻繁に走っている。その中で巻き立て補強する必要があり、第三者への危険を防ぐ意味からも材料を飛散させず、府道の建築限界を侵さないよう巻き立て厚を薄くして所定の曲げ補強を達成しなければならない。そのためD51鉄筋2段+SPCM工法による補強を選択した。
鉄筋組み立て/PCMによる増厚施工
湿式は、乾式に比べてリバウンドロスが少なく、飛散・粉じんもほとんどない。ただ圧送距離が長いと送り難いという短所がある。また、吹付工法は、材料の練混ぜとノズルマンの技量によって品質が左右されるが、湿式は一バッチごとに計量しミキサで練混ぜられているとことから、ノズルから出る材料の品質は安定しており、ノズルマンは吹付作業に集中できる(写真:鉄筋と母材との間にノズルの先端を突っ込み、万遍無く充填し、空隙を作らないようにしなければならない)。
鉄筋背面までノズルを突っ込む/用心メッシュ
同現場ではミキサーに2人、ノズルマンを2人交代、施工管理者を1人(別途、左官工など)、ノズルマンと施工管理者はPCM工法協会が主催する講習会の修了者という体制で施工に臨んだ。「PCMの品質を担保するために1日あたりの層厚を30㎜で管理」(五大コーポレーション)し、まず1段目の鉄筋を組んで5層施工したのち、2段目の鉄筋を組んで5層吹き付けるという工程を左右の橋脚で繰り返した。施工は4月末から始めて、6月中旬までの1か月半強を要した。型枠を用いないため、「施工後の仕上がり面については特にコテで念入りに仕上げた」(同)。
コテで念入りに表面を仕上げてさらに表面を保護塗装している
現在は、落橋防止装置などの設置が大詰めを迎えている段階だ。
元請は㈱五大コーポレーション・㈱松尾組JV。一次下請は㈱イズミクス(塗装)、ショーボンド建設㈱(耐震補強)。