架設桁の桁長は101.6m、鋼重は678.5t
NEXCO東日本 東北中央自動車道で多軸式特殊台車を用いて一括架設
多軸式特殊台車の移動距離は108m
前方にある架設済み桁を避けるために旋回と回転を繰り返す
多軸式特殊台車の移動速度は最高2.2m/分~最低0.4m/分で、ヤードから架設位置までの108mを移動する。NEXCO東日本と元請の横河ブリッジでは架設にあたり想定されるあらゆるリスクを管理表としてまとめ、台車が止まった場合に備えて整備士を配置しておく、ジャッキ故障では油圧ホースの切断も想定されるため予備油圧ジャッキを配置しておくなどの対策を取った。多軸式特殊台車走行時の安全対策では、橋軸方向に合計8本のワイヤロープを台車と桁にかけるラッシングを行うとともに、横ズレ防止としてサイドストッパーを橋軸直角方向に4箇所設置している。
多軸式特殊台車走行中の安全対策
台車と桁間をラッシング固定(大柴功治撮影)
施工は午後8時に国道13号の交通規制を開始し、規制が完了した8時20分ごろに多軸式特殊台車が時計回りに9.5m旋回して国道上に進入。8時半過ぎに20m前方に移動した。
架設ステップ図
ヤードで旋回後、国道上に進入(大柴功治撮影、以下同)
国道の幅員ぎりぎりまで引き出し、旋回を行う
架設するためには桁を約30度回転させる必要があるが、9日夜に架設を行った上り線のP2~P3間の桁が前方にあることと、国道13号の幅員18.5m内での作業となることから、微調整をしながら進まなければならなかった。そのため、再度旋回を行ってから、21mの前方移動をして、その後も桁回転と平行移動を繰り返して、架設位置に到達させた。
架設位置に前方移動していく
前方移動後に回転
9時半過ぎからテーブルリフトを50cm、28cm、19cmと段階的に降下させ、仕口調整に入っていった。添接作業はP2側(J16)で11時半過ぎから開始して、午前0時過ぎに完了。午前2時20分には、予定の午前6時より3時間40分早く交通規制を解除した。順調に架設が完了したのは、「前週(9日夜~10日未明)に同じように施工した上り線(P2~P3間)架設の経験を生かすことができた」(NEXCO東日本)からだった。
位置調整
P3側/架設状況全景
高畠深沼橋の架設で未完了となっているP3~A2間は8月の架設を予定している。南陽高畠IC~山形上山IC間には11橋の橋梁があり、高畠深沼橋以外は上部工工事がすべて完了して舗装工と道路設備工を進めている。