道路構造物ジャーナルNET

名古屋支社管内および滋賀県内初の大規模更新事業

NEXCO中日本 北陸道 小一条高架橋で床版取替え

公開日:2017.12.11

角欠け防止のため、間詰め打設はくさび型形状で施工

 継手部は標準のループ継手を採用。間詰めコンクリートの打設箇所は107カ所で、1カ所当たりの打設は下面幅360mm~上面幅400mmのくさび型形状で施工している。これは、元請からの提案でアゴがない形状にすることにより、荷卸しなどの際の角欠け防止を目的としていて、名古屋支社では初めての形状採用となった。間詰めコンクリートは、PC床版と同じ強度50N/mm2、スランプ18cmとなっている。


継手部はループ継ぎ手を採用

間詰め部コンクリート打設

 今回、A2側は若干の斜角が入っていることと、伸縮装置からの漏水による桁端部と橋台の劣化を防ぐため、延長床版を採用している。床版厚200mmで5mにわたり現場打ちで施工する。

高欄はRC製プレキャスト壁高欄を採用

壁高欄と床版防水など
 壁高欄は両側にRC製のプレキャスト壁高欄を採用した。それにより、設置期間が従来の23日間から8日間に短縮することが可能となった。また、壁高欄の鉄筋はかぶり厚70mmを確保しているため、普通鉄筋を使用している。



RC製プレキャスト壁高欄の施工

 床版防水は高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用し、ニチレキのHQハイブレンAU工法を用いて、約2,500㎡に施工する。養生後、基層(FB13)、表層(高機能舗装Ⅰ型)舗装を2日間の予定で敷設する。
 また、床版取替え工事終了後、支承交換と桁の塗替え塗装を実施する予定だ。そのため、足場は粉塵対策を施した吊り足場構造としている。

渡り線設置とPA流入路変更を11日間で施工
 安全対策のため15分間隔でセーフティーカーを運行

前捌き工事と安全対策
 上り線での床版取替えにより、工事中の10月16日から12月13日まで車線を下り線に集約して約500mの対面通行規制(規制延長は約3km)を実施する必要があるため、中央分離帯に上下線を連絡するための「渡り線」と上り線神田PAからの流入路変更を9月7日から29日までの内、11日間で実施した。


交通規制概要図


車線切替工事

 さらに、対面通行規制期間直前に昼夜連続規制を実施して、仮設防護柵やシステムカディの設置、路面標示工など2日間で施工している。施工現場のすぐ近くには神田PAがあり、「PAを閉鎖することなく、お客様の安全な通行を確保しながら、対面通行区間に誘導することが重要」(NEXCO中日本)となった。エム・テックでは、車線切替えなどの土木工事を完遂できる現場作業員と機械を自社で有しており、今回も舗装以外は自社で行うことで厳しい条件化で施工を完了させることができた。
 安全対策では、横断幕や立看板を滋賀県内だけでなく、愛知県や富山県など広域にわたり設置したほか、渋滞情報、所要時間の情報提供を行っている。また、15分間隔でセーフティーカーを運行するとともに、事故や故障車対応のため規制区間前後にレッカー車両を常駐させている。


(左)セーフティーカーの運行(右)規制区間前後に常駐するレッカー車

 NEXCO中日本名古屋支社では、来年に中央自動車道の松ヶ平橋(下り線)他1橋(中津川IC~園原IC)、来年から平成32年にかけて同区間の柳樽川橋他9橋、平成31年に東名高速道路の庄内川橋他1橋などの床版取替工事を実施する予定。今回の工事で得られた知見を今後に生かしていく予定だ。

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