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天竜川橋の床版取替えと辰野TN補修補強を施工

NEXCO中日本 中央道辰野TN~伊北IC間改良工事の現場を公開

公開日:2017.07.31

NEXCO中日本は4月に100年の耐久性を持たせることを目的とした設計方針(案)を制定

 4.防食および長寿命化対策
 床版部においては、継手部だけでなくすべての鉄筋でエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用している。コンクリートは早強セメントを採用しており、重ね継手部のコンクリートは50N/mm2、スランプ12cmを採用した。
 同社は今年4月に「既設鋼橋の床版取替えに関する設計方針(案)」、「壁高欄の塩害に対する耐久性照査方法(案)」を制定している。具体的には、とりわけ凍結防止剤の散布量、表面塩化物イオン濃度などを鑑みて、経年により進行する鉄筋近傍への浸透状況を予測して、100年の耐久性を持たせることを目的とした設計方針(案)で、これに基づいて今後は床版取替え時の施策(エポキシ樹脂塗装鉄筋やセメント材料の選択、かぶり厚の設定など)を決めていく。

 本線と交差する道路には剥落対策としてNAV-G工法(UV仕様)と下部には表面被覆工を採用した。また高欄には剥落対策として表面被覆および表面含浸工(アクアシール1800)を施工している。足場は、SRGの製品を採用した。

 岡谷JCT~伊北IC間では、今後も平出高架橋(上り線)の床版取替え工事や長手橋の高性能床版防水工の施工などを計画している。

覆工コンクリートの断面修復と監査廊部の取替工を実施

辰野トンネル
 延長220m、有効幅員7.5mの辰野トンネル(下り線)は、天竜川橋と同じ1981年3月に供用が開始されている。天井と側壁の覆工コンクリートにひび割れ、はく落、冬期の凍結による漏水といった損傷が発生。ひび割れはトンネル軸方向、直角方向のどちらにも多く見られ、幅は1mm~1.5mm程度で、ひび割れ密度が20~50cm/㎡の補修ランクⅡまたは20cm/㎡以下のⅢとなっており、長期保全確保のための補修が必要と判定されている。


覆工コンクリートの損傷(上右)/漏水(上左)/監査廊部の損傷(下)

補修工事の概要

 その補修工事として、ひび割れ発生箇所にエポキシ樹脂を注入し、断面修復を実施した。対面通行規制期間後、車線規制工事により、炭素繊維シートとはく落防止シートの貼り付けを行うと同時に、監査路上から本線に直接影響しないと考えられる75度を超えない範囲で側壁部の表面被覆工を施工する。覆工コンクリートのはく落対策としては、ShieM-TN工法を採用。


エポキシ樹脂の注入

覆工コンクリートのはく落対策

 また、トンネルの湧水を排水するために側壁部に30箇所の排水孔を削孔し、排水パイプも設置する計画としており、路肩部の監査廊と円形水路も損傷が見られたため、取替工を実施した。
 トンネル内の舗装についても、損傷が発生していることからオーバーレイ工法で切削を行い、高機能舗装(Ⅱ型)とする補修工を実施した。

詳細な情報提供で規制区間の安全を確保

安全対策
 今回のリニューアル工事では、「車線規制が総延長約10kmと長い距離になるため、規制区間の安全対策や、規制区間を利用されるお客さまへの情報提供の検討を重ね、実施した」(NEXCO中日本)ほか、「規制期間をできるだけ短くする」(同)ための検討も行った。



車線規制の概要

 具体的には、渋滞情報などを伝える簡易情報版の設置台数を昨年秋のリニューアル工事時よりも規制延長の増加にともない23台増やして45台とし、Bluetooth、およびモバイルスピードセンサー(MSS)を活用して区間の所要時間と渋滞最後尾の位置情報の提供を行ったほか、交通監視員や渋滞監視車、24台のWEBカメラなどにより現場の交通状況を交通監視室で集約し、道路管制センターとの情報共有を図った。


Bluetoothやモバイルスピードセンサー(MSS)を活用した情報提供例

交通監視室

 対面通行規制区間の事故防止対策としては、視線誘導と速度抑制のためにポストコーン上部に走行型視線誘導灯(※右写真)を設置した。

 元請は、オリエンタル白石・熊谷組JV。天竜川橋床版取替え工事の協力会社としてTake、コンクリートコーリング、中部クレーン、辰野トンネルの補修補強工事の協力会社として三井住建道路、ケー・エフ・シー。

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