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フライアッシュ混入コンクリートを採用

NEXCO中日本 北陸道・日野川橋の床版取替現場を公開

公開日:2016.11.16

フライアッシュ混入コンクリートを採用
 北陸電力敦賀発電所製のJIS灰

 同現場の一番の特徴は床版、高欄および間詰めコンクリートにフライアッシュを混入したコンクリートを用いていることだ。通常は高炉スラグを用いることが多いが、日野川橋では、塩害やASRといった地域の劣化要因に合わせるとともに、間詰めコンクリートおよび場所打部の打設時の流動性確保を企図して、北陸電力敦賀発電所のフライアッシュⅡ種用JIS灰を15%以上置換したセメントを用いたコンクリートを用いている。フライアッシュコンクリートを用いたPCaPC床版は富山新港の北陸電力の桟橋に適用事例があり、また、福井県が発注した大月橋(橋長12㍍、幅員5.3㍍のPCプレテン中空床版橋)においてはPC桁で採用されている。
 床版パネル間の間詰めおよび端部の場所打部分のフライアッシュコンクリートには、スランプ12㌢および50Nと高強度のコンクリートを採用する。「できるだけプレキャスト床版に近い品質になるよう」(元請の日本ピーエス)に努めており、これに膨張材を加えることでひび割れを防止している。また、排水溝は路面部にめっき防食、埋設部にFRP製のものを採用し、防食に努めている。


200㌧クレーンを使って既設床版を撤去

鋼桁上フランジ上面のケレンおよび塗装

プレキャストPC床版の架設 

スタッドジベルの溶接/版下モルタルの打設

間詰コンクリートの施工

場所打ち床版部の施工① (型枠及びSAMMシートの設置/エポキシ樹脂塗装鉄筋を配置)

場所打ち床版部の施工② (打設及び養生)

エポキシ樹脂塗装鉄筋を全面採用
 トゥグリッドSAMMシートマジカルリペラーを使用

 鉄筋はループ継手部、現場打設部も含めて全てエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用(安治川鉄工製)している。間詰め部は1カ所当たり約330㍉幅に設計しているが、鉄筋間隔をある程度開くことで、施工時の目視をし易くし、品質の安定を図った。これに加えて鉄筋上部に拘束ひび割れを防止するため炭素繊維プラスチック製のグリッド筋(トゥグリッド)を用いている。また、国道上の桁下面にはSAMMシート(アラミド製剥落防止剤、打設時に同時貼付け)を配置し、剥落防止工を施している。


SAMMシートの設置(場所打ち部と間詰部)

間詰部上面にはトゥグリッドを配置した

 また、張り出し床版部および高欄外面にはコンクリート表層に撥水性を付与し、凍結防止剤などによる環境要因による劣化を抑制するため、シラン系含浸材「マジカルリペラー」を塗布している。
 床版防水には高性能床版防水(GⅡ)を施工する。適用工法は「HQハイブレンAU工法」を採用した。


高欄にはマジカルリペラーを塗布した

上面をショットブラストで研掃後、高性能床版防水工を施工した

鋼桁の塗替えは塗膜剥離剤を使用予定

 鋼桁の塗替えは、既設塗膜に鉛を含有していることから塗膜剥離剤(バイオハクリX-WB)を使用して塗替える。塗装面積は約3,000平方㍍。また、検査路は亜鉛めっき(SGめっき)を施したものを採用する予定だ。
 元請は日本ピーエス。一次下請は国土(撤去工、架設工事)、辻広組(As切削、床版防水、舗装)。


橋面舗装が完了した日野川橋 引き続き塗装塗り替えなども行う

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