Facetコンクリート、リバコンリキッドを採用
大分河川国道 湯山橋で橋面上を一部コンクリート舗装に
同工事は床版全面約1,000平方㍍が対象。はつり厚は83㍉で上端の鉄筋下25㍉までに及び、その後138㍉のコンクリートを打設する。一次的にせよ床版厚が100㍉程度に低下するため、1回あたりの施工は1径間(約35㍍)の半分(同橋は対面1車線ずつ)ずつ施工している(今回はA1~P1の下り車線を施工)。
はつりはマイクロクラックの発生などを防ぐためにウォータジェット(WJ)を用いるが、土砂化した部分を確実にはつり、なおかつ付着性能を確保するため、2つのノズルを使用し、衝突位置を調整することによって、はつり深さを制御することができるコリジョンジェットやジェットマスターを採用している。
また、施工性を確保しつつ工期を短縮するため、速硬性混和材「Facet」を混入したコンクリートを打設した。同コンクリートは6~12時間で24N/平方㍉の強度を発現できるコンクリートで可使時間も調整剤(ファセットセッター)を用いることで1時間程度まで確保できる。現場での混練が可能なためジェットコンクリートのようにプラントも必要がない。打設後のコンクリート養生は、メーカー推奨の養生材を散布した上でシート養生を24時間程度行っている。
新旧コンクリートの付着面は接着剤および防水層の塗布は特に行っていない。新旧コンクリートの強度差によるたわみによって界面の剥離が起きないよう、母材は床版下面よりひび割れ注入および断面修復工を行っており、22~24N/平方㍉の強度を確認している。上面に138㍉の厚さを1回の打設で施工するため、スランプ15㌢を確認した上で打設した。なお打設後はコンクリート舗装面に箒目仕上げを実施し、車両のすべり抵抗性を向上させている。
(左)舗装版撤去/(中)ウォータージェットはつり状況(コリジョンジェット)/(右)はつり完了(コリジョンジェット)
(左)Facetコンクリート打設状況/(中)養生材散布状況/(右)シート養生状況
(左)Facetコンクリート打設完了/(中)塗膜防水施工状況/(右)アスファルト表層舗設状況
表層のみ舗装で施工した区間(末宗組が施工)(上写真9枚)
施工後は表面含浸材(リバコン・リキッド)を塗布し、コンクリートの防水層としての機能を持たせている。但し、A1~P1下り車線の歩道との境界部はそのままの状態で打設しており、漏水を考慮すると、取り合い部のみシール状に何らかの防水層を設置することは考慮すべきかも知れない。
今後はコンクリート舗装を行うことによるメリット、デメリットを確認していく方針だ。
設計は(株)西部技建コンサルタント。元請は川浪組末宗組。一次下請けは九州化工建設、ケミカル工事。WJ施工はトラスト工業、ケミカル工事。
(上写真は施工済みのコンクリート舗装部を通過する乗用車)