道路構造物ジャーナルNET

舗装工事約16万9千平方㍍、伸縮継手交換160レーンなど対策

阪神高速道路 3号神戸線リフレッシュ工事

公開日:2015.06.16

ショットブラストで表面を研掃

 舗装打ち替えについては、RC床版部は切削機で舗装全層を切削した後に防水処理を施し、基層を密粒アスファルト、表層を高機能舗装でそれぞれ舗設する。鋼床版部は切削機とバックホウ等を併用して舗装を除去した後、ボルト部にこびりついた残滓はチッパーで除去し、ショットブラストで表面を研掃した後に、アスファルト系の接着剤を塗布し、基層をグースアスファルト、表層を高機能舗装でそれぞれ舗設する。


写真(左)切削機による舗装の除去/(右)特別にカバーを開けて見せてくれた切削機内部

鋼床版上面のショットブラスト

写真(左)グースアスファルトの舗設/(右)表層の転圧

ジョイントは19%を占める部分で損傷

 ジョイントは19%を占める部分で損傷が生じていた。要因としては以下の表 のとおりで、特に鋼製フィンガージョイントについては、溶接接合の欠陥などによるフェースプレートの剥がれが一番多かったようだ。対策内容としては、損傷した荷重支持型ゴムジョイントや鋼製フィンガージョイントを簡易鋼製ジョイントなどに交換した。


伸縮継手の損傷形態例

伸縮継手の据え付け

鋼板接着補強済みのRC床版を切り出し
 耐久性の確認試験を実施へ

 同区間内の床版形式はRC床版約7割と鋼床版約3割がある。阪神高速では、古い基準で設計された疲労耐久性の低いRC床版に対し、床版下面への鋼板接着補強を実施してきたが、これらの補強済み床版の一部に漏水や接着不良等が確認されている。今回の工事では、今後の大規模更新・大規模修繕を考慮して、区間内の鋼板接着補強済みのRC床版(2×4㍍大の範囲)を切り出し、輪荷重走行試験など耐久性の確認試験を行う。
 また、伸縮継手の交換だが、撤去については工事騒音を低減するためワイヤーソーを用いた低騒音工法を積極的に採用している(SJS工法)。また、舗装との段差が生じることを防ぐために伸縮継手の撤去を先行させ、一旦アスファルト合材で仮埋めした後に伸縮継手部も含めて連続的に舗装補修を行い、改めて伸縮継手部のみ舗装を除去し、新しい伸縮継手を打ち替え後の舗装と同じ高さになるように据え付けていた。


写真(左)RC床版の切り出し/(右)ワイヤーソーによるジョイントの撤去

 床版連結については、微細なひび割れを許容する設計であることから、連結部の鉄筋にエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用した。

速度回復誘導灯を試験的に設置

 交通安全対策としては、各所に逆走対策用の路面表示、視線誘導を施すほか、標識を超高輝度反射タイプに取り換える。渋滞が比較的多く発生する深江のサグ部の約1㌔区間(芦屋市平田町~神戸市東灘区深江本町)に阪神高速として初めて速度回復誘導灯を試験的に設置する。


速度回復誘導灯

 NEXCO東日本の東京湾アクアラインや首都高速道路3号渋谷線などでも採用されている設備で、同社では採用事例がなかった。今後は点灯速度や色、点灯パターンなどを何種類か試験した上でより効果的な運用につなげたい方針だ。(井手迫瑞樹)

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム