関西圏で初めて浸透性プライマーを採用
神戸大橋取付部で予防保全的に床版増厚
切削前にカッターで劣化部を囲う溝を作成
浮き・剥離部の劣化コンクリート切削に際しては、損傷箇所を囲う様に事前にカッターで四角に溝を作り(健全部と損傷部を縁切りすることで)、切削の際に健全部に新たな損傷が生じないように工夫している。また、ショットブラストの投射密度は1平方㍍あたり150㌔とし、表面の残滓の排除、平滑性、接着強度の向上を図った。SFRC上のアスファルト系床版防水は地覆立ち上がり部まで施工している。また、表層舗装は今回2スパンだけであり、この部分だけ舗装高を上げるわけにはいかないため35㍉という薄層に抑える必要があった。その薄い舗装厚でも所定の耐久性能を持たせるため、アスファルト舗装との付着性能が良好な防水剤と耐水性を有する舗装仕様(密粒度アスファルト舗装「改質Ⅲ型-W」選定)を採用している。
SFRCの打設 カチコートXの施工
フレッシュコートの施工 舗装の転圧
珍しい桁構造
残る区間も今後検討
ジョイントの遊間は87㍉で桁の伸縮量は30㍉未満。通常なら床版連結も考えられる。防水上も有利になるが、2径間のうち、一方は(橋脚側面に桁が剛結した)ラーメン構造であり、もう一方はピアアバット上に桁が載っている構造で条件が異なることから、それは断念せざるを得なかった。そのため止水性を有したジョイントに取り替えるとともに、ジョイント下にフェールセーフとして漏水防止用の受樋を作っている。
完成状況
神戸大橋取付部は、床版厚が今回と同程度(19㌢厚)しかない区間が残っており、同様の工法で対策を講じていくかについて状況をみながら判断していく方針だ。工事発注は神戸市。施工元請は島田組、一次下請は鹿島道路。(井手迫瑞樹)