NEXCO東日本 多軸式特殊台車で一括架設
東北道本線上に2橋のランプ橋を夜間架設
最小半径が60㍍と急
ターンテーブルを用いて桁旋回時の負荷を小さく
1台あたりの台車の載荷能力は250㌧。これを前後に2台ずつ配置し、その上に桁のリフトアップ、リフトダウン用のジャッキを同様に2台ずつ配置した。ジャッキ上には桁旋回時の負荷を小さくするためにターンテーブルを乗せており、「片方の台車の回転に応じてターンテーブルが回転するため、回転半径が非常に小さくて済んだ」(NEXCO東日本)。
いったん架設個所を超えた個所に桁を移動
リフトアップ
架設に際してはいったん架設個所を超えた個所に桁を移動させ、前方台車を基準にして後方台車を線形に合わせるため旋回、所定の位置まで来た後にバックして位置を微調整した。というのも「今回は最小半径が急(同橋の線形はR=60㍍、)で扇形の平面線形をしているため」(高田機工)。「鋼製の箱桁で桁高も2.5㍍あるため、製作段階から現場の縦横断を考慮して、非常に精度を追求した」。
23時40分頃からは、多軸式特殊台車上のジャッキを使って縦断勾配に合わせる形(縦断勾配は約5%に達する)で桁を最大4㍍リフトアップ(速度は毎分10㌢)し、慎重に位置を合わせて両橋台上にある支承に桁に3.6㍍降下させた。その後、多軸式特殊台車は桁下から退出し、元の位置(本線外のヤード)に戻ったが、17日に一度施工したこともあり、19日の架設は予定より約1時間30分早い午前2時前に多軸式特殊台車を退出させることができた。桁の仮固定に多少手間取ったものの、予定より30分早い20日午前5時半に交通開放することができた。
慎重に位置を合わせる
桁架設がほぼ完了
桁下から退出する多軸式特殊台車
桁の架設は全て台車を使って施工
一番苦労した点は「縦断勾配が約5%で、かつこれだけのRがついた曲線桁を多軸式特殊台車で本線上を走らせて支承に預ける点。特に最後の桁を支承にセットする工程はクレーンなどにより行うことが多い中、今回は時間上の制約もあり台車上のジャッキのリフトダウン後は、橋台上にあらかじめ設置しておいた桁調整用ジャッキのみで桁を据え付けしており、施工時の安全性や精度を追求した」(高田機工)としている。
当日は施工を公開しており、マスコミや工事関係者らが大勢現場を見学に来ていた。
施工は高田機工。一次下請は相馬建鐵。多軸式特殊台車は宇徳、リフト用のジャッキはオックスジャッキ。