名古屋高速道路公社 RC床版には複合床版防水工などを活用
小牧線の北行7・7㌔をリフレッシュ 8万1970平方㍍の舗装を打替え
名古屋高速道路公社は、高速11号小牧線楠JCT~小牧IC間の北行き7.7㌔について、81,970平方㍍に達する高機能舗装の打替えを主としたリフレッシュ工事を行った。内訳は鋼床版上が約19,000平方㍍、コンクリート床版上が約63,000平方㍍。舗装のほか、高欄内面塗装工事、ETC電波吸収体設置工事、電気施設補修工事、その他の付属工事、構造物点検も合わせて行った。なお、リフレッシュ工事は上り線を11月15~23日までの9日間、24時間通行止めして、のべ7,500人の体制で施工した。小牧線は供用から13年が経過し、交通量増加による舗装のひび割れ、剥がれ、わだち掘れなどの劣化、損傷が生じていた。(井手迫瑞樹)
小牧線北行7.7㌔のリフレッシュ工事概要
コンクリート床版上には損傷が散見された
舗装の損傷
小牧線の標準断面図
IHを採用して撤去
ビースト、ショットブラストを活用
鋼床版の打替え工事は80㍉の既設舗装を撤去し、同じく80㍉の舗装を打ち直すもの(下図参照)。
小牧線の橋梁形式は、平面街路の制約条件から鋼床版箱桁橋を多く採用しているが、小牧線の沿道には民家が多く、通常のブレーカーはつりなどを使用した場合、騒音や振動が生じる。そのため「国内に2機しかない」IH式舗装撤去工法を採用した。同工法はIH式加熱(電磁誘導加熱)を利用し、低騒音で鋼床版を傷付けずに舗装を剥離する工法(写真)で、電磁誘導加熱により鋼床版との接着界面を60℃程度まで加熱することで舗装と鋼床版との縁を切り、除去しやすくするもの。沿線に住宅が特に多い個所および既設舗装が接着剤で堅固に接着している箇所に優先して使用(19,000平方㍍中6,935平方㍍に使用)し、その他は従来通りバックホウで撤去している。
ただし、それだけでは既設舗装の基層(砕石マスチックアスファルト、「SMA」)が鋼床版上に残ってしまうこともあり、次の工程に悪影響を与える。そのため、それらを先端にダイヤモンド製のブレードを装着した乗用タイプの大型剥がし機「ビースト」と手押しタイプの床剥がし機「ストロングベッカー」を用いて撤去した。
乗用タイプの大型剥がし機「ビースト」
その後はショットブラスト(研掃量は1平方㍍あたり300㌔)で下地処理を行い、接着樹脂を塗布、グースアスファルトの基層、排水性舗装の表層に打ち替えた。
ショットブラスト