継手はループ筋を採用
継手部などにはエポキシ樹脂塗装鉄筋
床版同士の継手部は従来通りループ筋による継手を採用している。西日本高速道路、中日本高速道路が採用している合理化継手(継手部が厚くならないため全体の床版厚を薄くできる)も検討したが、採用実績がまだ少ないこと、凍結防止剤による塩害劣化や凍害に対して耐久性の点で懸念があることから採用を見送った。
次に継手部の間詰めコンクリートを打設した。打設箇所は42個所あり、1カ所当たりの打設幅は平均350㍉ある。これに対して現場では50Nの膨張剤入り早強コンクリートで打設している。なお、桁へのノロを防止しつつ型枠工を省略するため床版下面の繋ぎ目にはポリウレタンフォーム製のシール材(「トメルンダー」)を採用し、作業を効率化している。また、プレキャストPC床版同様に地覆の高さ16㌢までを一体化した構造になるよう型枠を設置した上で打設し、床版と地覆の間の目地をなくしている。間詰め部最外縁の鉄筋は凍結防止剤の散布による劣化を防止するためエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用している。
継手部の施工ステップ
PC床版連結(目地配筋)(左)、PC床版連結(Co打設)(右)
丁寧な施工
その後壁高欄を打設するが、間詰め部と同様50Nの早強コンクリートを使い、一部凍結防止剤の影響が出やすい個所にエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用している。そして最後に伸縮装置を交換、同様に間詰め部(床版隣接部は1,000㍉、土工隣接部は500㍉)を施工した。
伸縮装置据付及び端部現場打ち床版(左)、壁高欄の鉄筋・型枠工(右)
壁高欄部のコンクリート打設
床版防水はグレードⅡ 綱木川橋の経験者が施工
4、現場(床版防水、舗装、その他)
床版防水は、高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用している。具体的にはニチレキのHQハイブレンAU工法を用いた。同工法は床版と防水層の接着層にエポキシプライマー、次いで防水層の主材としてアスファルトウレタン系の樹脂を採用しており、これを床版面及び地覆立ち上がり部まで施工する。次いで舗装との接着層にはアスファルト系の接着剤および珪砂を散布し、地覆部にはトップコートとしてウレタン系の樹脂を塗布するもので約800平方㍍を1日で施工した。その後高機能舗装を施工、交通安全施設等を設置し、予定通り19日間の施工で完了した。
床版防水工の施工(左)遠景、(右)約800平方㍍を一日で施工
詳細設計・施工はIHIインフラ建設が担当した。なお施工にあたっては同様にプレキャストPC 床版による取替を行った東北道綱木川橋を担当した郡元章氏が現場代理人を務めるなど万全の態勢で臨んだ。一次下請は野田自動車工業所、福島総建、葵建設工業など。
舗装及び路面標示工等