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北陸自動車道における桁端部と床版の損傷事例及び対策

公開日:2014.10.16

伸縮量20㍉以下の個所に連結ジョイント
Facetコンクリートの使用も検討

 ただし、桁端部の損傷はジョイントからの漏水が主たる原因であるため、ジョイントからの止水対策あるいは損傷したジョイントの交換を計画的に実施する必要があり、実際に施工している。その中で中小橋の伸縮量20㍉以下の遊間部においては橋台と桁端部を鉄筋コンクリートで連結するRC連結ジョイントを基本工法(図-3)として採用している。対象個所数は691カ所にのぼり、昨年までに130カ所の対策を完了している。
 RC連結ジョイントの施工は、既設ジョイントを撤去した後に橋台パラペットおよび床版端部の上面を100㍉程度はつり、鉄筋を図-3のように配置し、繊維補強コンクリートを打設するもの、制約条件によっては舗装厚さ(75㍉)までを繊維補強コンクリートで打接することもある。
 現場は規制時間の制約を受けるため、今後の取り組みとして小規模打設でも価格が安いFacetコンクリートを施工する方法について取り組んでいる。


  図-3 RC連結ジョイント                   図-4 FACETコンクリートの試験施工

床版上面の変状として顕在化
RC床版の塩害

 一方、RC床版の塩害は、まず局部的に上側鉄筋の腐食に起因するコンクリートの剥離により床版上面の変状として顕在化している。その後、塩分は上側鉄筋に生じたひび割れから貫通ひび割れを伝い下側鉄筋および床版下面に達し、床版下面の変状が顕在化する(図-5)。
 路線の全てにおいて床版劣化の兆候を早期に発見するため、金沢支社では路面性状調査データ(図-6)を活用したスクリーニング分析や、定期点検による外観調査結果を調べている。
 これらの点検データは中日本高速道路の保全点検要領に従いデータベース化されており、この段階では机上で調査する。ここで劣化の兆候が見られた場合は、凍結防止剤による塩害に関して詳細調査し、変状グレードの評価を行う。その評価を基に補修の計画、実施、観察、評価するPDCAサイクルを循環している。


  図-5 劣化期の床版と塩分浸透特性                図-6 路面性状調査と床版パネル判定の例

※取材協力 中日本高速道路(株)金沢支社 森山 守氏

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