4.施工ステップ
施工にあたっては、あらかじめ車線センターを走行車線側にシフトし、構造中心近傍で、半断面を確保した上で工事を行った。施工フローを図-9に示す。
図-9 施工フロー
ステップ-1(事前準備)
・走行車線のシフト(路肩側に1.95m)に伴う仮設路面標示の施工後、車線シフトの運用を開始した。(図-10)
ステップ-2(1次施工)
・集中工事1週目(追越側) 路面切削後、床版を6t/ブロックに細分化切断、床版ハクリ装置にて桁付着を切り、80tクレーンにて橋梁下へ仮置きする。主桁上フランジ清掃後にPCaPC床版を架設し、スタッドジベルの溶植後に無収縮モルタル打設にて1次固定する。鉄筋・型わく組立後、間詰床版および現場打ちコンクリートを打設する。なお、現場打ち床版部においては、強度発現後、PC鋼棒にて仮締めを行った。
ステップ-3(土日規制解除時)
・交通運用形態を図-11、12及び写真-4に示す。(仮設ゼブラ帯有)
図-12 土日解放時の車線位置とゼブラ帯 写真-4 土日の路面解放状況
・仮設ゼブラ帯の横断勾配は、2.80%で擦り付けた結果、支障なく走行できた。 施工時の主な作業を写真-5に示す。
写真-5 施工時の主な作業
ステップ-4(2次施工)
・集中工事2週目(走行側)
車線シフトがないため、規制設置完了と同時に本施工が可能。
1次施工と基本的に同じ工程となるが、特筆すべき事項としては、PC鋼材の緊張のタイミングが挙げられる。床版取替におけるPCaPC床版の考え方として、あくまでも、1枚の床版と位置づけているため、橋軸方向の間詰めコンクリート打設前に追越側と走行側の床版の連結を行い橋軸直角方向を1枚のPCaPC床版として完成させ、鋼桁に仮固定した。また、床版取替と床版上面増厚の接続部は、間詰及び後打ちコンクリート打設後に、1次施工側のPC鋼棒を解放し、PCより線と入替え即時緊張することで、活荷重の影響を最小限抑えるようにした。また、安全対策として、1次施工側の床版下面に支保によるサポートを行った。