道路構造物ジャーナルNET

『JR西日本リレー連載』

⑬ 新技術の活用による鉄道高架橋の検査の効率化を目指して連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 鉄道構造物は、道路構造物のように通行止めを行って迂回させながら補修、補強工事等の措置ができないことが多く、維持管理上の特徴として、大規模な構造物の取替えが非常に困難であることが挙げられます。したがって、構造物を、丈夫で、美しく、長持ちさせていくための維持管理を適切に進めていくことが求められますが、労働人口減少に伴い、維持管理技術者の確保や技術力の維持が喫緊の課題となっています…

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⑫ 打継目移動制限装置による無筋コンクリート橋脚の地震対策連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 無筋コンクリート橋脚(以下、無筋橋脚という)は鉄筋コンクリート橋脚に比べ耐震性に劣るため現在は新設されることのない構造ですが、鉄道構造物においては大正~昭和初期を中心に建造され現在も数多く供用されています。地震による強い揺れの影響を受けた無筋橋脚には、写真1に示すように打継目での水平方向の貫通ひび割れやずれ、打継目下部コンクリートの剥落が生じている事例が多く報告されています。…

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⑪ 惣郷川橋梁における建設時から現在に至る塩害対策連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 わが国は海に囲まれており、海岸線に沿って敷設された鉄道が数多くあります。そのため、海岸に近接した位置に鉄筋コンクリート構造物が構築されることもありますが、ここで問題となるのが海からの塩分の供給です。鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートで構成されており、塩分の供給によって鉄筋が腐食する現象である「塩害」が発生します。海岸に近接した位置に構築された鉄筋コンクリート構造物は、建設時…

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⑩津山線落石災害の対応 ~道路管理者との連携~連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 わが国の国土は急峻な山地や断層が多く、降雨や地震などに対して極めて脆弱な国土条件を有しています。そのため明治から大正期に敷設された多くの在来線区では、長大トンネルや長大橋梁の施工技術が未熟であったことから、これらを避けて山沿いや河川沿いに路線が選定されており、その多くは切土や盛土の土工設備で構成されています。このような線区では、自然斜面に隣接した箇所も多く線路への土砂の流出入…

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⑨在来線における降雨時の運転規制連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 鉄道では降雨時の斜面崩壊から列車運行の安全性を確保するために、のり面防護工などのハード対策を実施して沿線のり面を補強するとともに、降雨量がある閾値(以下、雨量規制値という)を超えた場合に、列車の運行を見合わせるソフト対策(以下、運転規制という)を実施しています。しかしながら、近年の局地的大雨などに代表される降雨特性や災害形態の変化もあり、運転規制の方法を適切に見直すことが必要…

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⑧斜面防災カルテの導入と維持管理への反映連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 鉄道は我が国の地形や当時の技術的背景および経済的な理由から、盛土や切土といった土構造物によって多くの路線が構成されており、自然斜面と隣接した線区が多くなっています。西日本旅客鉄道株式会社(以下、「JR西日本」という)においても、特に在来線は土構造物の割合が大きく、斜面崩壊や落石などの斜面災害から列車の安全を確保するために、沿線斜面から危険箇所を抽出し、これらの箇所に対してのり…

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⑦トンネル内スラブ軌道の沈下抑制対策連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本という)で管理する山陽新幹線のトンネルでは、建設時に将来の軌道保守量の低減を目的として、図1に示すとおり、従来の砕石(以下、バラストという)軌道ではなく、路盤として下部から、均しコンクリートまたは、りょう盤コンクリート、路盤鉄筋コンクリートを打設し、その上部に軌道スラブと呼ばれる高強度の鉄筋コンクリート版(二次製品)を設置した軌道(以下、ス…

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⑥コンクリート覆工トンネルの剥落対策連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本という)では、1999年6月に山陽新幹線福岡トンネルにおいてアーチ部のコールドジョイント下部のコンクリートが剥落し走行中の列車に衝撃するという重大な事故を発生させました。また、同年10月には同北九州トンネルにおいて側壁コンクリートの打込み口のコンクリートが剥落するという事故を再び発生させたことを受け、山陽新幹線における全トンネルの全面打音検査によ…

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⑤洗掘リスクに対する河川橋りょう基礎の維持管理連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 鉄道における橋りょうの多くは、明治から昭和初期および高度経済成長期の路線網拡大時期に建設され、100年以上にわたって供用されているものもあります。その間には地震や台風といった自然災害を直接的に経験したものも多く、橋りょう自体の劣化の有無にかかわらず、周囲の地形や環境が建設当時とは大きく変化したことで、橋りょうとしての性能に影響が生じたものも少なくありません。特に河川橋りょうでは、…

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④ロッキング橋脚橋梁の耐震補強連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本という)では、さらなる安全性の向上に向けた地震対策として、構造物の耐震補強を順次進めています。このうち下部工に鋼製橋脚を有する橋梁は、構造が多様かつ複雑であり幹線道路等と交差する重要な箇所に多く用いられています。近年では、2016年の熊本地震でのロッキング橋脚道路橋の落橋を受け、国土交通省から通達が発信され、JR西日本においても同種橋梁の耐震診…

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③薄型BP支承の開発連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 供用中の鋼鉄道橋において、支承部は最も変状が多い箇所の一つです。代表的な変状としては、沓座の破損や支承の可動不良等があり、さらに支承部の変状が他の変状の誘因となる場合が多くみられます。支承部の補修・補強では、支承本体が破損している場合や、支承が大きく摩耗し、ばたつきが大きい場合等、支承本体を取替えることがあります。この場合、一般には元の支承形式と同じものを適用しますが、課題と…

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②Iビーム支点首部の疲労き裂対策連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 Iビームとは、写真-1に示すような主桁にI形鋼を用いた単純2主桁の鋼鉄道橋です。写真からわかるように、Iビームは比較的短支間(1.3~6.7m)の橋梁で、レールを支えるまくらぎが主桁に直接敷設されています。Iビームの代表的な変状として、支点部のウェブと下フランジの境界付近(以下、支点首部という)に沿って発生する疲労き裂(写真-2)があります。このき裂は放置すると、主桁ウェブや下フランジに進展…

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① 鉄道構造物の維持管理の概要連載

JR西日本リレー連載 鉄道土木構造物の維持管理

 1872(明治5)年10月14日に我が国で最初の鉄道が新橋から横浜間に開業し、本年で150年を迎えます。この区切りのいい年に鉄道構造物の維持管理に関するリレー連載を掲載することになりました。今号から鋼構造、基礎構造、トンネル、土構造、コンクリート構造の順にJR西日本で実施している鉄道構造物の維持管理の事例について、構造技術室に所属する担当者が毎月、リレー形式で執筆をします。新幹線、在来線に…

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