『寒地土木研究所』
塗布前の水分の除去と管理、塗布後の加温継続が大切連載
冬期におけるシラン系表面含浸材の間違わない塗布の仕方
シラン系表面含浸材は、コンクリート表面ならびに表層を疎水化させて、コンクリート内部への水や塩化物イオンの侵入を抑える浸透性の保護材料です(図1)。現在、コンクリート構造物の劣化対策として広く使用されています。図1シラン系表面含浸材によるコンクリートの改質概念シラン系表面含浸材は常温下での塗布が望ましいですが、橋梁工事の出水期の回避など工期の制約により、冬期に行われることもありま…
詳細ページへシリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語」㊷連載
北海道におけるコンクリートの品質確保の取組み
1.はじめに北海道は日本最北に位置しており積雪寒冷地であるとともに四方を海で囲まれているため、北海道のコンクリート構造物は厳しい気象・使用環境作用を受けています。このため、長期的にその機能や役割を果たすには、コンクリートの品質や耐久性を十分確保する必要があります。一方、同じ積雪寒冷地である東北地方においては、この連載でも多数紹介されていますが、震災に伴う復興事業を契機として品…
詳細ページへ15年間スケーリングを抑制、塩化物イオン浸透抑制はなお持続連載
現場での15年の追跡調査を通じて見えてきたシラン系表面含浸工法の中長期的効果
■はじめに寒冷地では冬期間、車両の走行安全を確保するため、凍結防止剤が散布されています。このため、凍結融解と凍結防止剤の複合作用によって、コンクリートの耐久性が損なわれないよう、対策を講じる必要があります。その対策工の一つに、コンクリートへ水や塩化物イオンが侵入しないよう、コンクリート表層に吸水抑制機能を付与するシラン系表面含浸材【※】(以下、シランと記します)があります。一方…
詳細ページへ低温環境下、沿岸部など連載
厳しい環境下でのシラン系表面含浸材の施工の留意点整理に向けて
◆はじめにシラン系表面含浸材は、撥水機能を有するアルキル基から構成されるシランモノマーやシランオリゴマーを主成分とし、コンクリート部材への水や塩化物イオンの侵入を抑えるため、コンクリートの表層を疎水化させる浸透性の保護材です(写真-1)。施工が容易で経済性に優れ、施工後も部材の外観を変化させないなど様々な長所を有しています。写真-1シラン系表面含浸材を塗布したコンクリートの切断面に…
詳細ページへコンクリート構造物の耐久性向上を定量的に確認連載
シラン系表面含浸材の含浸深さの非破壊管理を目指して
■はじめにシラン系表面含浸材(以下、シランと記します)は、水や塩化物イオンの侵入を抑制する機能をコンクリート表層に付与する浸透性のコンクリート保護材です(シランの特徴については既稿(1、2)で紹介しておりますので、本稿では割愛させていただきます)。施工性、経済性、安全性に優れ、施工実績も増えております。その一方で、施工を通じて、これまで見えていなかった色々な課題も明らかになって…
詳細ページへ劣化対策技術の劣化対策技術連載
水の供給によるコンクリート構造物表面被覆材の剥がれ防止に向けて
■はじめにコンクリート構造物の長寿命化の必要性に鑑み、近年、代表的な劣化因子である水や塩化物イオンの侵入抑制が期待される種々の表面保護工法[1]が広く適用されています。写真-1は、波浪時に水圧、砂利による摩耗、大きな玉石による衝撃を受けやすい寒冷地沿岸部の道路橋の橋台にウレタン製の表面被覆材が施工された事例です。水や塩化物イオンの侵入抑制効果に加えて、弾力性に富み、伸び性能も高く…
詳細ページへ土木研究所集中連載⑤ 連載
道路橋RC床版の耐久性向上に向けた研究開発
1.はじめに道路橋RC床版(以下、床版)の劣化要因は、主に大型車の輪荷重による疲労や床版内部への水の浸入とされている1)。これらの劣化要因に加え、積雪寒冷地では凍害や凍結防止剤の散布による塩害の影響を受けた床版の劣化損傷が、比較的交通量の少ない路線の橋梁においても顕在化してきている。このように、疲労に加えて、凍害、塩害、アルカリシリカ反応との複合劣化が生じた場合には、疲労単独の場合…
詳細ページへ連載
けい酸塩系表面含浸材の特徴を暴露試験の結果から探る
はじめにこれまで、コンクリート構造物の劣化抑制対策として近年広く使用されている表面含浸材に関するコラムとして、表面含浸材の特徴を平易に解説した「シラン系およびけい酸塩系表面含浸材の適切な使い方」、北海道内で行っている約10年の追跡調査の結果をもとに、シラン系表面含浸材による凍害・塩害抑制効果を述べた「実環境でのシラン系表面含浸材の効果の持続性について考える」の2編を執筆させていた…
詳細ページへ-凍害の進行予測-連載
凍害に対するコンクリートの耐久性設計の課題と展望
寒冷地では凍害対策が重要凍害は、寒冷地のコンクリート構造物でみられる代表的な劣化の一つで、コンクリートの空隙に形成された氷の体積膨張によって未凍結水の移動圧が発生し、その移動圧によって空隙壁が破壊されることに起因し、スケーリングやひび割れが発生する現象です。凍害が大きく進行すると、鋼材の露出や腐食に至ることもあります(写真-1)。凍害に対するコンクリートの耐久性設計法の整備は、…
詳細ページへ3カ所で実曝、10年間追跡調査連載
実環境でのシラン系表面含浸材の効果の持続性について考える
所定の期間、実環境で追跡調査が基本時間はかかるが実態に即す前稿(2014年10月16日号)では「シラン系およびけい酸塩系表面含浸材の適切な使い方」と題して、コンクリート構造物の劣化の進行を抑制するための対策工の一つである表面含浸材の特徴について平易に解説しました。さて、構造物の管理者の方が何よりも知りたいのは、効果の持続性でしょう。実環境での効果の持続性は、ライフサイクルコストや費用…
詳細ページへ含浸材でも異なる連載
シラン系およびけい酸塩系表面含浸材の適切な使い方
近年、コンクリート構造物の維持管理、長寿命化の必要性の高まりを受け、ライフサイクルコストを最小化するための耐久性設計、劣化の進行を抑制するための対策工が広く行われています。対策工の種類や材料は様々ですが、その一つに表面含浸材があります(写真-1)。写真-1表面含浸材の施工状況(道路橋の地覆)シラン系とけい酸塩系に大別施工後も目視により点検可能表面含浸材は、吸水抑制といった所定…
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