宮前橋 維持管理が行き届いている
多良峡森林公園つり橋 主ケーブル定着は「ブリッジソケット」を使用
③宮前橋(愛称;恋の吊橋)(写真‐3参照)
宮前橋は、一級河川揖斐川にかかる綺麗な吊橋である。演歌「久瀬夢ろまん」の歌詞にも出てくる地元の人には欠かせない生活橋である。
・所在地 岐阜県揖斐郡揖斐川町東津汲(~西津汲)
・完成年 1955年
・橋長 82m
・有効幅員 1.6m
・橋梁形式 単径間無補剛吊橋
・用途 歩行者専用
・大規模修繕工事 平成16年度
写真-3 宮前橋(愛称;恋の吊橋)
宮前橋は、一級河川揖斐川に架けられた生活橋である。春から秋にはRC主塔がツタで覆われており、看板が無ければ吊橋だと認識するのは難しいようである。この橋は、生活橋かつ観光橋であり、維持管理は行き届いている。ケーブルは、しっかりと防食(テープ+ペースト?)が為されている。
④多良峡森林公園つり橋(写真‐4参照)
多良峡森林公園つり橋は、岐阜県大垣市の多良峡渓谷に架かる非対称の主塔が特徴的な歩道吊橋である。観光用の橋であり、主構造や付属物含めて良好な管理がなされている。
・所在地 岐阜県大垣市上石津町一之瀬
・完成年 2004年
・橋長 71m(塔支間長72m)
・有効幅員 1.2m
・橋梁形式 斜張橋風無補剛吊橋
・用途 歩行者専用
多良峡吊り橋は、2004年に架けられた橋で非常に状態が良い。ケーブルバンドは、この規模の吊橋にしてはしっかりとした摩擦型のバンドで設計されている。また、主ケーブルの定着にはしっかりとした「ブリッジソケット」が使われている。
であい橋 PC吊床版橋としては日本では草分け的な存在
⑤せせらぎ橋(写真‐5参照)
11月中旬、岐阜県白川郷の駐車場に降り、ふと一級河川庄川に目をやると吊橋が目に入ってきた。単径間吊橋であり、近くまで歩を進めたが通行止めとなっていた。
・所在地 岐阜県大野郡白川村荻町
・建設年、橋長等 不明
・橋梁形式 単径間無補剛吊橋
・用途 歩行者
⑥番外編 であい橋(写真‐6参照)
であい橋は、白川郷のせせらぎ公園駐車場と白川郷を結ぶ「PC吊床版歩道橋」である。この橋は2005年愛知万博の時に始めて通った懐かしい橋である。PC吊床版橋としては日本では草分け的な存在であったであろう。
・所在地 岐阜県大野郡白川村萩町
・完成年 1993年
・橋長 107m
・有効幅員 3.6m~1.6m
・橋梁形式 PC吊り床版歩道橋
・用途 歩行者専用
・土木学会デザイン賞 2003最優秀賞
(4)最後に
12月7日のNHKニュース、おはよう日本でインフラの老朽化の課題が示された。何故、このようなタイミングでマスコミ報道がなされたのか。それも公共放送を使って。どうせなら、国土交通大臣が記者会見をして国民との協働をお願いし、呼びかけるべきではなかったのか。もう少し国民に丁寧な説明をするべきではなかったのか。一方では、無料の自動車専用道路を議員の力加減でどんどん造っている。この無料化区間の建設に充てる税金をインフラメンテに充てるという方針転換を何故総理大臣は言わないのか。防衛予算の増額を税金でお願いします、という以前の問題だ。
富山市が取り入れているトリアージ、つまり、A;幹線道路上にあり、欠かすことができないとする橋、B;幹線道路に近く必要度が高い橋、C;日常生活で使う身近な橋、D;重要度が低いとされた橋……基本的に補修を行わず、危険な場合には撤去を検討、を全国の自治体も検討してみたら如何なものか。いずれにしても住民との対話が不可欠である。(次回は2023年2月1日に掲載予定です)