道路構造物ジャーナルNET

㉒東京駅に至る中央線の重層化の工事

次世代の技術者へ

土木学会コンクリート委員会顧問
(JR東日本コンサルタンツ株式会社)

石橋 忠良

公開日:2021.06.01

2.2 東京駅近くの高架橋
 図―4は東京駅近くの中央線高架橋断面です。


図-4 高架橋断面

 東京駅近くの桁は支保工にて施工しています。桁は図-5の左の道路側の3室を支保工にて造り、右の線路側の1室部は、下を列車が運行する位置のため型枠、支保工ができないので、プレキャスト部材を夜間、電車の走らない時間で接合しています。


図-5 東京駅近くの桁の断面

 写真-3は、図-5とは逆側から見た、場所打ち部の桁の下型枠です。線路側の1室分がない状況です。


写真-3 型枠

 門型橋脚を造り、その後場所打ちで桁を造ります。桁の一部と橋脚が剛結された状態で施工し、橋脚両側の桁が完成後、後打ち部を施工しPCケーブルを配置しています(図-6、図-7)。


図-6 柱頭部の構造/図-7 連結ケーブルの配置

2.3 日本橋川近くの高架橋
 東京駅から離れた日本橋川近くでは、一度線路の外側に桁をつくり、仮の線路として使った後に線路側に桁を移動させ、それからラーメン構造にすることになります。
 線路を移動させる区間の作業手順を図-8で紹介します。Step Aでは中央線を仮設の桁と橋脚で受けて、中央線の盛土を撤去します。Step Bで、将来の中央線の乗る高架橋の丸の内側の柱1本と、外側に仮設の柱を造り、元の中央線の位置には、将来の京浜東北線が乗る高架橋部分を造ります。


図-8 作業手順-1

Step Cでは、中央線を外側に移設します。その後に京浜東北線、山手線を移動します。
Step Dでは、京浜東北線の高架橋の外側の柱を伸ばし、中央線の柱と一体化した門型橋脚とします。この後に中央線の桁を本来の位置まで、線路側に移動します。


図-9 作業手順-2

 桁と門型橋脚はその後にPC鋼材にて剛結されて、長手方向もラーメン構造となります。

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