道路構造物ジャーナルNET

-分かっていますか?何が問題なのか- ㊻高齢橋梁の性能と健全度推移について(その3)‐将来に残すべき著名橋になすべきことは‐

これでよいのか専門技術者

(一般財団法人)首都高速道路技術センター
上席研究員

髙木 千太郎

公開日:2019.01.31

大型車交通量の差異は健全度に影響するのか?

 平成最後の年、平成31年亥年が穏やかな天候のもと、静かに始まった。毎年、正月三が日の私は、過ぎ去った一年の自らの行動についての反省とこれから始まる新年への期待と抱負を自問自答することで過ごすこととしている。それ以外にも私自身、毎年恒例行事として行っていることがある。私は神道派でもなければ、仏教派でもないが、何故か30年以上年末年始に2箇所の神社(新宿区と中野区)への参拝を続けている。今回、神社を廻って感じたことは、これまでとは違った熱気であった。何故だろう、例年の年末、年始より多くの参拝者で溢れ、ごった返していたからなのかもしれない。この30年私は、参拝客の長い列に並んだ事は一度もなく、スムーズな流れの中で短時間に恒例行事は終わりとなったが、昨年末、今年の年始は違っていた。

 公開された資料によれば、2019年初詣の参拝者数の順位は、一位が明治神宮318万人(316万人)、二位が成田山新勝寺311万人(300万人)、三位が川崎大師平間寺308万人(302万人)で、以上が参拝者数のベストスリーである。昨年と二位と三位が入れ替わってはいるが、いずれも参拝者数は増加、私が参拝して実感した事実が裏付けられる結果である。考えてみれば、昨年2018年は災害が多かったことからか、亥年2019年の無災害、健康・安全をより強く望む人が多くなったからかもしれない。話は全く違うが、私は昨年の末、社会人となって初めて年末12月28日(金曜日)から、年始1月6日(日曜日)までの10連休をとった。以前の私であれば、連休となる前後に年次休暇を付け加えて休むなど考えられない事であった。社会も大きく変わると同時に、私自身も変わり、長く休むことに抵抗感が無くなってきたのかもしれない。とは言っても、のんびりと休みを楽しむ性格ではないから、書籍を買い込み、新たな亥年の抱負でも練るかと意気込んでいたが思うようにならず、本は読んだがイメージも湧かず得た成果も何も無い、年始であった。私の性格からして、どうも追い込まれないと行動を起こさない性格が、今回も災いしたようだ。そんな過ごし方をしていた私であっても、これからの日本、特に土木技術、それも私の頭の中では花形、橋梁やトンネルの未来はどうなるのであろうと、考える時があった。

 それは、1月2日(水曜日)の夜、新春ドラマ特別編・『下町ロケット』を見ている時だった。フィクションドラマとはいえ、耕運機のトランスミッション開発にかける熱き技術者魂に感動し、自分にはそれがあるのかと自問自答している時である。確かに国内では、一時代前のような、海峡を渡る長大橋建設や困難を極める長大トンネル建設の話題は、全くない。これは、土木技術に関係する技術者として寂しい気がすると同時に、読者の皆さんに何か奮い立たせる話題を提供せねばとの思いが湧き出てきた。今年は5月に新たな年号に代わることもあり、国内の長大橋建設や長大トンネルが再び日の目を見ることを願って、私が昔、興味深く読んだ著名な技術者の鼎談記事の話を紹介し、読者の皆さんとともに、世界に示す我が国の最先端土木技術の再来を願おうではないか。

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