道路構造物ジャーナルNET

-分かってますか?何が問題なのか- ⑧点検はこれからが勝負

これでよいのか専門技術者

(一般財団法人)首都高速道路技術センター 
上席研究員

髙木 千太郎

公開日:2015.12.01

人を動かすのは人である

4.私の危惧している事態を救う意欲のある若手技術者の存在
 しかし、今まで全く橋梁に関係する知識の全くない若手技術者が、自らが望んで国が実施する専門研修を受講しようと考え参加する姿勢に直面し、明日の日本は捨てたものではないと感じた。何時橋梁に全く関係ない部署に転勤するとも分からない行政技術者、当然橋梁から離れ、他の道、例えば水道や道路台帳など全く橋梁とは異なった分野であるかもしれない、ひょっとしたら事務職のような仕事かもしれない。しかし、これからの自らの背負う橋梁の職務を全うするために専門研修を受けようとする意欲を感じると、私も何かできることは無いのかと奮起する自分がそこにいることを感じる。要は、自らがコツコツ努力することこれが必要である。直ぐに役立つことは無いのかもしれないが必ず明日の課題を解決する「重要な機能する駒」となることは確実である。先日も被災地東北での研修に参加する機会があったが、研修に参加する地方自治体の職員、技術職だけでなく事務職を含めて技術研修に参加する姿は、技術者が不足している、明日を担う優れた技術者がいない、と発言し、採用を控える人事管理者に対し、まだまだ日本の技術力は捨てたものでは無いと言いたい。
 人に言われたからやるのではなく、自らが必要と感じて行動を起こす力は大きい、必ずや今努力している数少ない?橋梁初心者が必ずや明日の日本を背負うと感じているし、当然期待もしている。内閣府の行っているSIPに関連する事業は高度であることは誰が見ても分かることではあるが、それが、国内の多くの技術者不足を補うとは思えない。人を動かすのは人である、最後はロボット等の機械ではなく、人が決定することを忘れてはならない。
(次は2016年1月1日に掲載予定です)

これでよいのか専門技術者シリーズ
⑨「私見 勝鬨橋再跳開の可能性とその効果」
⑧点検はこれからが勝負
⑦PC桁の欠け落ち損傷
⑥溶接構造の品質保証について
⑤橋と景観
④独創のコツ、なぜ研修制度は機能しないのか
③「道路メンテナンス会議」は本当に機能し始めたのか
②「道路橋の変状と架け替え」について大きな疑問
-分かってますか?何が問題なのか-①

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