40年以上経過した橋梁は約3,000橋
計画的な要望保全を進めることが必要
2.高速道路橋の現状
NEXCO3社が管理している橋梁は、平成23年度末現在で約18,000橋、約2,700㌔となっている。このうちNEXCO 東日本は約6,500橋を管理している。図-1 にNEXCO3 社の橋種別橋梁数の比率を、図-2に開通年別の橋梁数を示す。橋種は鋼橋、RC 橋、PC 橋がそれぞれ、おおよそ1/3 である。また橋梁建設のピークは1980年代となっており、平均供用年数は約25 年である。40 年以上経過した橋梁は約3,000橋(15%)、30年~40年経過した橋梁が約4,500橋(25%)に達している。10 年後には、80年代に建設された橋梁も30 年を経過することから、全体の6割近くが30 年を経過することとなる。
図‐1 橋種別比率 図‐2 開通年代別橋梁数
図-3は経過年数別の健全度の割合である。経過年数の増加とともに健全度は低くなる傾向にあり、経年とともに劣化が進行していることが分かる。
なお、40年以上で、健全度が一部改善傾向にあるのは補修・補強により健全度が改善されていることによる。
今後30年を超える橋梁の割合が急激に増え、要補修箇所が急増すると、これまでのような事後保全を主体とした維持管理では、十分な対応が厳しくなっていくことが想定される。高速道路の安全・安心・快適・便利の確保のために、劣化が進行し深刻な損傷となる前に、計画的な予防保全を進めるなど、一層の効率的・効果的な維持管理が求められている。
図-4はNEXCO東日本の点検データから変状判定区分がA2以上(変状が進行し、性能低下の影響があるもの)の変状箇所数の部位別の割合を示したものである。これからRC床版(鋼橋以外のRC中空床版等含む)が多いことが分かるが、直接自動車荷重を支持し繰返し荷重の影響を大きく受けること、凍結防止剤に含まれる塩化物イオンが影響するなど過酷な環境におかれていることが大きな要因として考えられる。
図‐3 供用年数別健全度の割合 図‐4 変状数の部位別割合(2005‐2010 N 東日本)