道路構造物ジャーナルNET

新たに発刊した「道路橋防食便覧」のポイント

①塗装による防食技術

公益財団法人 東京都道路整備保全公社
一般財団法人 首都高速道路技術センター

髙木 千太郎

公開日:2014.09.29

専門技術者が必要
他分野にもアンテナを張ることが重要

おわりに
 塗装による防食法は、4つの大きな機能がある。一つ目は、腐食因子である酸素や水、促進因子である塩化物イオンや腐食電流を遮断する機能である。二つ目は、ジンクリッチペイントの亜鉛等が持つ腐食反応を抑制する電気化学的な機能である。三つ目は、橋を取り巻く外気や紫外線などの環境影響から保護する機能である。四つ目は、色彩や表面性状の任意性に優れる特徴による美観性や景観性を創造する機能である。
 ここにあげた機能を新設時から供用期間中保つためには、鋼道路橋の計画、設計、施工、維持管理及び補修・補強時の十分な配慮が必要である。それとともに、鋼道路橋の防食技術に精通した専門技術者が必要なのは言うまでもない。ここに示した塗膜による防食法は、道路橋だけでなく鉄道、港湾、河川、水路等多方面で採用されている。
 長期に渡る防食性能を期待するためには、社会基盤施設に対する塗装だけでなく、車両や航空機などの他分野にもアンテナを張り、環境に優しく、経済的で耐久性のある塗料や塗装技術を取り入れることを担当技術者は忘れてはならない。ここに示した塗料による防食法が、役立つことを期待して止まない。(次回は11月1日に配信予定)

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