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沖縄県におけるフライアッシュコンクリート(FAC)            配合・施工指針(案)の概要

【執筆者・背景情報】 本記事は、琉球大学工学部 准教授の富山 潤 氏(※執筆当時)を中心に、アール・アンド・エー代表の風間 洋 氏、沖縄県土木建築部および建設技術センターの技術者らによる共著として2018年3月に公開されたものです。富山氏らは2015年の伊良部大橋でのFAC適用事例を皮切りに、沖縄県の過酷な自然環境下におけるコンクリート構造物の品質確保と耐久性向上に関する取り組みを継続的に発信してきました。

  • 指針(案)策定の背景と目的
    沖縄県は高温多湿な亜熱帯海洋性気候にあり、塩害やアルカリ骨材反応(ASR)による劣化が深刻な課題です。伊良部大橋(100年耐久性を目指し県管理橋梁で初採用)での実績を受けFACの利用が進む一方、標準的なマニュアルが存在しなかったため、2017年12月に「沖縄県におけるフライアッシュコンクリートの配合及び施工指針(案)」が策定されました。
  • 科学的知見に基づく性能検証
    県産分級フライアッシュを用いた実験により、水和熱による温度上昇の抑制、高い耐塩害性(塩分浸透抑制)、ASR抑制、長期強度の増進、および100年耐久性を満たす中性化抵抗性が実証されています。また、砕砂100%使用時の流動性改善効果も確認されています。
  • 用途に応じた3つの標準配合タイプ
    1. 内割り+外割り配合タイプ: 水和熱抑制・ASR抑制・塩害対策を目的としたマスコンクリート向け(伊良部大橋下部工モデル)。
    2. 内割り配合タイプ: 塩害・ASR抑制を目的とした比較的小規模な構造物向け。28日強度の確保を基本としつつ、最大91日までの管理材齢延長を許容。
    3. 外割り配合タイプ: 早期脱型が必要なプレキャストPC桁等向け。海砂を避け砕砂100%とした際のワーカビリティー改善を目的に3〜5%混和。
  • 地域特性に応じた現場適応策 凍害のない沖縄県の環境を考慮し、内割り系配合では荷卸し地点での空気量規定を設けないほか、専用設備の有無に応じたセメントとの累加計量を認めるなど、現場導入を促進する仕様となっています。さらに発注意図を円滑に伝えるための特記仕様書(案)も提示されています。

  産学官の連携と長期的な検証に基づいて体系化された本指針は、過酷な環境下におけるインフラの長寿命化と        
  環境負荷低減を両立する実践的な技術基盤となっています。

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