道路構造物ジャーナルNET

番号はCB-180024-A 腐食や疲労亀裂の予防などを期待

ヤマダインフラテクノス エコクリーンハイブリッド工法のNETIS登録を完了

公開日:2018.10.12

 ヤマダインフラテクノスは、循環式エコクリーンブラスト工法とショットピーニング処理を併用したエコクリーンハイブリッド工法のNETIS登録を完了した。登録番号は(CB-180024-A)。ショットピーニング工法は腐食の予防や疲労亀裂の予防が期待できる工法として鋼構造物の保全に広く使われており、ブラストとの同時施工により、経済的かつ効率的な施工を可能にしたもの。ショットピーニングを行うことで腐食の予防や疲労亀裂の進展を抑制することができるため、鋼橋の長寿命化に大きく貢献できる。


工法概要図

 ショットピーニングは無数の特殊鋼球を高速度で表面に打ち当てることで、表面近傍だけを塑性変形させ、表面層に圧縮残留応力を導入し、疲労亀裂と応力腐食割れなどに対する抵抗力の向上を図る技術だ。鋼材表面の結晶が微細化するため亀裂の進展も抑制でき、表面硬化することで傷も入りにくくする効果を有する。実際に岐阜大学で行った標準ガセット試験体を用いた疲労強度試験では、溶接部の疲労強度がそのままの状態と比べて、ピーニング施工箇所においては、疲労等級が2等級向上する結果を実証した。加えて、既設鋼橋において実際にショットピーニングの施工前後の残留応力を計測した結果、表層100μm深さにおいて-400MPa、表層200μm深さで-350MPaの圧縮残留応力を確認することができた。なお、表面から500μm深さにおいても圧縮残留応力の保持を確認している。


施工状況

 従来、ショットピーニングは既設橋梁において、ピーニング材の飛散防止対策が大掛かりになることや、ピーニング材の回収再利用が困難であることから採用が見送られてきた。それを①塗装塗替え工と同時施工することでブラスト用の足場や飛散防止設備を併用する、②ショットピーニングも循環再利用設備を併用する、③塗装用研削材(スチールグリット)をピーニング用特殊鋼球に変える、④現場での施工管理方法、出来形管理手法を確立する――などの対策を講じることで既設橋梁でも使用でき、さらに安定した品質を確保する事を可能とした。


カバレージチェックによる出来形管理

 同社では、NETIS登録を契機に今後は循環式エコクリーンブラスト工法にさらに付加価値を与える工法として積極的に展開していく方針だ。 なお、本工法のNETISホームページ掲載は11月中旬の予定。(井手迫瑞樹)

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