道路構造物ジャーナルNET

構造物の維持管理 コンパクトシティなどとも関連してアセット的な観点も考慮

国土交通省 森昌文新道路局長が就任会見

公開日:2015.09.28

 国土交通省の森昌文新道路局長(写真)は、9月24日に国土交通省専門紙記者会加盟各社に対する合同会見に応じ、就任の抱負として「国民の社会生活を支える道路という最も基本的で最も大きいインフラの機能が、十二分に発揮できるように維持更新や(高速道路などの)ミッシングリンクの解消を積極的に進め、全体のネットワーク効果を最大限高めることを目標にしていく、と述べた。一方で以前、近畿地方整備局長として人手不足などから同省の技官がなかなか現場に足を運べない現状を憂いており、個々の技術力の向上を図るためにも、また組織としての力を底上げするためにも「現場の課題を吸い上げて、業務の効率化を図り、より技官が現場に足を運べるよう制度的な改善につなげていきたい」と話した。
 また、①よりストック効果の見込める事業箇所に予算を付けるなどメリハリを利かせる。②開通目標年度を明確化して企業投資や自治体の地域経営支援をしやすくする。③道路インフラの維持管理とりわけ基礎自治体(市町村)にとって重荷となっている橋梁やトンネルの維持管理を持続的に行えるように技術者不足への対応や、直轄の技術援助、自治体が有する構造物の大規模更新・修繕補助制度などを充実させていくーーなどの考えを述べた。
 とりわけ③については高速道路を跨ぐ橋や鉄道を跨ぐ橋について注視しており、「点検や補修補強もしくは撤去などについて綿密に計画を立てて対策していく必要がある」と語った。
 一方、(自治体の)道路インフラ維持管理は、庁舎や病院などの重要施設のマネジメントやコンパクトシティ構想との兼ね合いから維持管理を考えていく必要があるとし、現在の長寿命化修繕計画に加えて、アセットマネジメント的な側面からもインフラの管理を考慮していく必要があることを色濃くにじませた。
 また、一義的には自治体が判断することであると前置きしたうえで、「中山間地の(限界集落に近い)集落の橋梁やトンネルなどという道路インフラについては、その損傷度などと照らし合わせてメンテナンスすることと、集落を自治体中心部などへ移転することを比較していくことを考慮する自治体が出ることも考えられるため、そうした計画を行う際のデータの蓄積や、全体のマスタープランが必要になってくるのではないか」、と述べた。合わせて「路線の重要性に鑑み維持管理を手当てしていくことになるのではないか」とも語った。

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム