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構造形式と健全性に応じた点検手法を研究

高岡市と横浜国立大学、新日本コンサルタント 橋梁維持管理合理化のための研究協力協定を締結

公開日:2023.01.18

 高岡市と横浜国立大学、新日本コンサルタントは16日、高岡市をフィールドとした「橋梁維持管理の合理化に関する研究協力協定」を締結した。高岡市が進める橋梁維持管理の高度化・効率化の一環として、市が管理する橋梁約1,150橋(2m以上)で横浜国立大学と新日本コンサルタントが橋梁維持管理の合理化に関する研究を行う。
 本研究では、1,150橋を構造形式と健全性の組み合わせによりグループ分けし、グループごとに、①点検において発見すべき損傷の種類、②その損傷を発見するための方法(近接目視、新技術活用、遠望目視)、③損傷の記録方法、を決定し、点検手法や項目などを各グループで変えることを目指していく。同市では簡易な構造形式(RC中実床版橋およびカルバート)で健全性Ⅰの橋梁が管理橋梁の約50%を占めており、構造形式と健全性に応じた合理的な点検を目指すことになる。また、同市の橋梁で多く発生しているASRを含め、道路橋の安全性を担保したうえで、損傷の修繕費用削減と補修後に再劣化が生じない持続可能な高品質化に寄与する研究にも取り組む。
 研究体制では、横浜国立大学「豊饒な社会のための防災研究拠点」(研究拠点長・細田暁教授)の技術指導のもと、新日本コンサルタントが「橋梁定期点検マニュアル案」および「橋梁補修設計マニュアル案」の素案検討を行い、高岡市がそれら案の照査、業務発注の課題検討、維持管理業務への反映を実施していく。


研究体制

 横浜国立大学「豊饒な社会のための防災研究拠点」は、道路橋を含めた膨大なインフラの維持管理システムを魅力的で持続可能なものに改善するための研究に取り組んでおり、新日本コンサルタントは長年、富山県内の自治体の道路橋の定期点検業務を行い、豊富な知見を有している。そして、高岡市は管理者として橋梁の特性を把握しているとともに、老朽化対策を加速させるために定期点検費用の削減が喫緊の課題となっている。これらのことから3者での協定締結となった。

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